韓国国立リハビリテーションセンターとの 協力に関する調印式について |
管理部企画課 |
4月26日(月)に当センターにおいて、韓国国立リハビリテーションセンター(以下、
韓国リハセンター)との間で協力関係を結ぶ調印式を行いました。
当センターは、海外の他のリハビリテーションセンターや病院との協力を日常的に行なって
おりますが、正式に文書を取り交わす形は初めてです。
以前から、韓国リハセンターの職員を研修員として当センターで受け入れたり、研究所で
開催した国際会議に参加されたりと交流はありましたが、特別の共同研究や活動を行なって
はおりませんでした。
この度、韓国リハセンターのByung Sik Kimセンター長からのお申し出により、両センター
間での協力関係を築く旨の覚書を交わし、双方のセンター長が調印する運びとなりました。
協力関係としては、人的な交流、共同研究・開発、資料の交換等々、様々なレベルの内容が
あります。今回我々が交わした覚書は、後に掲載しておりますように、知識や情報にかかる
交流を中心としています。
具体的にどのように実行するかは、これから話し合って決めていく予定です。
調印式当日は、韓国リハセンターから Kimセンター長、Si-Woon Park病院脳血管障害
リハビリテーション部長、Bum Suk Lee脊髄損傷リハビリテーション部長、Oh Sun Kwon教育・
広報部長の4名が当センターを訪問されました。午前中に行なった調印式は片石管理部長が
司会を務め、両センターの職員の自己紹介と、両センター長の挨拶の後、山内研究所長に
より今回の協力関係についての内容確認を行い、出席者全員の合意により両センター長の
署名が交わされました。その際の様子が表紙の写真です。
午後は、調印を記念して、“日韓国立リハビリテーションセンター協力協定締結記念
シンポジウム”と題した講演会を開催いたしました。両センターの活動の紹介と講演があり、
センター内外から約50名の方々の参加を得ました。
今回は、両センターから脊髄損傷にかかわる歩行についての発表で、韓国リハセンター
からは“脊髄損傷者の機能的電気刺激を用いた歩行訓練”(Bum Suk Lee部長)、当センター
からは“装具歩行トレーニングが脊髄損傷者の歩行様筋活動に与える効果”(中澤公孝運動
機能系研究部室長)を、両者とも実際の歩行状況の動画を交えて、発表いただきました。
方法は異なりますが、共通の臨床研究であり、今後の協力に結びつくものであると思いました。
その後は、研究所や病院、職リハの視察をしていただき、夕方の懇談会となりました。
短い時間ではありましたが、Kimセンター長をはじめとして、韓国リハの方達と当センターの
職員とで親しく交流することができました。
隣国である韓国は、最近ますます近い国になっています。
今後、障害をもつ人々のリハビリテーション技術の向上や促進に役立てるために、両センター
がお互いの知識、経験、情報を交換し合えるように、話し合って、この協力関係を進めて
いきたいと考えております。
以下に、協力に関する覚書の内容を掲載いたします。(署名欄等は省略)
覚 書
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最後に韓国国立リハビリテーションセンターについて簡単にご紹介させていただきます。
韓国国立リハビリテーションセンター (National Rehabilitation Center, NRC) |
所在地:ソウル市。
歴 史:1949年に知的障害児の療育施設として開設。1986年に国立リハビリテーション
センターとして再編成される。1994年に病院部門を開設。1995年よりリハビリテーション
医学研修医の研修指定医療機関として認定される。
組 織:病院、訓練所、カウンセリング・ガイダンス部門等
活動概要:病 院−200床(脳損傷、脊髄損傷、筋骨格障害、小児リハ、家庭医学、歯科等)。
この他に、脳損傷の方のための通院プログラム、性に関する相談・訓練
プログラム、口腔衛生等の特別プログラムも実施している。
訓練所−定員86名(自立生活プログラム、身体機能回復訓練、職業的訓練、
自動車訓練等)。
この他に、養護学校の学生や在宅で障害をもつ人に対して短時間・期間で
センターの訓練サービスの提供もしている。
モデルプロジェクトの実施−障害をもつ在宅者に対する、保健所や福祉センターを
活用した地域支援プログラム。
教育・研修活動−
CBRに関わる専門職等の教育。
リハビリテーション関連職員の研修。
義肢装具士の研修。
ボランティア育成。
社会への啓蒙活動。