所沢保健所管内給食研究会「講演会」報告 |
栄養管理室 |
平成16年6月17日、国立身体障害者リハビリテーションセンター本館大会議室に
おいて、所沢保健所管内給食研究会主催の「講演会」が行われました。当日は、梅雨
の時期とは思えない晴天に恵まれ、病院、老人ホーム等の施設勤務の栄養士、調理師と
地域活動栄養士の58名が出席しました。
講師の先生には、二葉栄養専門学校教授の高橋興亜先生をお迎えし、演題は
「終末期患者の栄養管理」という内容で講演していただきました。講師の先生は、
平成14年3月に国立国際医療センターを退職され現職に就いております。国立病院に
奉職中は9ヶ所の施設に勤務し、その中でも国立がんセンター東病院に勤務している
ときに、国立病院では最初の緩和ケア病棟を立ち上げた経歴の方です。現在は、教授
として学生の教育を行いながら全国での講演や学会での研究発表を行っています。
講演の内容について、書かせていただきます。終末期の患者様は、食欲がなくなり、
精神的にも不安定となります。また、疾患によっては、「痛み」や「苦しみ」を
伴います。このような状況を少しでも和らげるためにはどうしたらよいかについて、
栄養士の立場として話をして下さいました。終末期患者の食事への嗜好の特徴
(食欲がない場合、麺類やさっぱりした者が好まれる。さっぱりした物とは、
シャーベットのような温度の低い物)や、食道の通過障害のある方への食事
(盛り付けをきれいに、一度きざんだ料理をゼラチンを使って元どおりに形成する)
への気配り等、スライドを使って説明していただきました。また、チーム医療について、
患者様を中心にして医師、看護師、薬剤師、検査技師、放射線技師、栄養士等が密接に
連絡し情報を共有する重要性について話していただきました。
特に、終末期の患者様では、チーム医療のスタッフの最も重要な一員として「家族」
が深く関わらなければならないことを教えていただきました。
今回の講演を聴いて、「痛み」や「苦しみ」を持った患者様に「なにをして
あげられるか」を考え,そして実行するということは、体力、気力が必要で、愛情や
誠意をも併せもって接していかなければならないことを強く感じました。
(文章で書くのは簡単ですが・・・)
このようなことは、終末期の患者様だけでなく、障害のある方と接する際にも
同様なことが言えるのでははないかと思いました。
誰もが迎える終末期、そして側に終末期の方がいることも少なくありません。
このような時に今回の講演会の内容が少しでも参考になればと思っています。