〔野鳥シリーズ40〕 |
リハセンターに飛来する野鳥を友に |
東京都福祉事業協会 母子生活支援施設 スタルト方南 見原 捷三(元理療教育部長) |
ハシブトガラス(嘴太鴉)
カラスと言えば、ゴミを食い荒らす、悪戯をする、繁殖期には人を襲う等、嫌われ者の
代名詞のようですが、一口にカラスと言ってもいろんな種類がいますので、今回このカラスを
記事にしてみました。
まず、カラスの種類から説明しますと、高山に棲息するホシガラス、冬鳥として主に九州に
渡来するコクマルガラス及びミヤマガラス、同じく冬鳥として主に北海道に渡来する
ワタリガラス、それに、次回の記事に予定しているハシボソガラスを合わせて、この6種類が
カラスの仲間です。
この中で、日頃、街中や郊外で見かけることができるのは、今回取り上げますハシブトガラスと、
次回のハシボソガラスの2種類ですから、その特徴や見分け方を御紹介します。
ハシブトガラスは、全長約57cm、全身が黒色ですが、頸の羽毛の基部は灰色です。
嘴は、写真のとおり、太くて湾曲し額がでっぱっています。これが、一つ目の特徴です。
生息地は、海岸から山地にいたる森林、最近は都市部に定着し近くの公園などをねぐらに
している。食性は雑食性で、昆虫、穀物、果実、それに残飯などを食べゴミ置き場を荒らすのが
この鳥です。
繁殖期には、番ごとに分散し高い木の枝に巣を作り3月から6月頃に、3〜5個の卵を産み
20日前後で孵ります。この時期に巣に近づいたり、巣の下を通っただけで人を襲ったりします。
繁殖を終えると再び群れて生活し集団でねぐらを作ります。
鳴き声は、ハシブトガラスが、カーカーと澄んだ声に対して、ハシボソガラスが、
カララカララと濁った声で鳴くのが、二つ目の特徴ですが、この鳴き声からも判別できます。