平成16年度 第21回業績発表会開催報告
管理部企画課


 平成16年度第21回業績発表会が、平成16年12月21日(火)に当センター本館大会議室を 第1会場に、中・小会議室を第2会場として開催いたしました。
 この業績発表会は、職員が事業や学術研究の上で、成し遂げた成果を発表・討議する 機会を設けることによって、職員相互の研鑚と連帯の強化を図り、効果的・総合的な リハビリテーションの推進を図ることを目的として行っているものです。
 今回の業績発表会は、48題の演題数となり各座長の進行のもと、発表、質疑が行われました。 また、他の国立更生援護施設からは、国立函館視力障害センター1題、国立神戸視力障害 センター1題、国立別府重度障害者センター1題、国立秩父学園2題の合計5題の発表があり、 各センターでの事業成果などについての発表があり、質疑応答は活発な意見交換の場になりました。
 発表の際のプレゼンテーションを行うための使用機材は、今年も全てパソコンを利用し (ポスター発表は除く)、わかりやすく、また動画にするなど様々な工夫が見受けられました。 発表演題及び発表者は、別表のとおりです。
 午前、午後の発表が終了した後に、特別講演として、厚生労働省社会・援護局障害保健 福祉部企画課の石渡障害福祉専門官を招いて「今後の障害保健福祉施策について」と題して、 講義をいただきました。更生援護施設運営に携わっている職員として、今後の業務の遂行に 当たり、大変有益になったものと思います。
 今年度も優秀な業績発表については、職員表彰を行うこととなり、優秀賞及び奨励賞 (国立更生援護機関等採用10年未満で、かつ、40歳未満の者)については当センターの 非常勤職員を含む全職員を対象に、特別賞については他の国立更生援護施設の職員を対象として、 総長、各部門長及び各セッション座長が、業績発表会資料(予稿集)及び発表内容について審査し、 次のとおり表彰者が決定されました。



業績発表会の様子


優秀賞  
更生訓練所職能部 加藤 禎彦
病院看護部 長島  緑
更生訓練所理療教育部 杉江 勝憲
研究所障害福祉研究部 八巻 知香子
病院診療部 前野 正登
病院診療部 沼山 貴也
研究所運動機能系障害研究部 河島 則天
   
奨励賞  
研究所感覚機能系障害研究部 武田 湖太朗
病院医療相談開発部 田中 大介
   
特別賞  
国立別府重度障害者センター医務課 橋本  通


 最後に、岩谷更生訓練所長からの講評をもって、終了しました。今後も本発表会の一層の 充実に努めていきたいと考えています。本発表会の運営に当たっては、各座長はじめ各部署の 多くの方々のご協力をいただき、ありがとうございました。



質疑応答の様子 ポスター発表の様子


別表
 
平成16年度 第21回業績発表会発表演題及び発表者
 

<午前の部>(第1会場)
  1.  肢体不自由(1) [座長:山崎診療部長]
  2. 1 放射線非透過性マーカーによる脊髄損傷者の大腸機能評価と排便法決定への応用 沼山 貴也 2 精神疾患を合併する脊髄損傷患者のリハビリテーション 浦上 裕子 3 視覚障害を伴った対麻痺者の自己導尿自立までの経過 井上 美紀 4 天井吊り下げ式移動型免荷装置フローラを用いた免荷歩行 廣川 容子 5 国立別府重度障害者センターにおける褥瘡対策について 橋本  通
  3.  肢体不自由(2) [座長:赤居第一機能回復訓練部長]
  4. 6 脊髄損傷者の装具歩行トレーニングに伴う運動効率の変化 千見寺芳英 7 脊髄損傷者の装具歩行トレーニング前後における呼吸循環応答の変化 樋口 幸治 8 脊髄損傷者の装具歩行の生理学的特性 河島 則天 9 足底の除圧を目的とした装具の検討 −骨髄炎を発症した二分脊椎患者の一症例− 有薗 裕樹 10 胸髄損傷を伴う股関節離断症例に対する車いすクッションの適合 星野 元訓
  5.  ポスター発表
  6. 11 褥瘡評価用紙の検討 中嶋 直美 12 自傷により失明に至った重度自閉症者に対する支援について 村上 功二 13 重度ダウン症成人の放尿・失禁への視覚的援助 日野 憲文 <午前の部>(第2会場)
  7.  視覚障害 [座長:簗島第三機能回復訓練部長]
  8. 14 日本語スクリーンリーダーによる事務系パソコン訓練マニュアルの作成 加藤 禎彦 15 カンボジア盲人協会との国際共生(視覚障害マッサージ従事者の技術評価を終えて) 笹田 三郎 16 シミュレーションによる透光体混濁者の歩行評価    −グレアの制御と携帯用フラッシュライトの効果− 小林  章 17 原職復帰を目指した修了者に対して行った保護指導事業の報告 小坂 瑞穂 18 弱視者の夜間歩行に関する研究 −ロービジョン者の夜間歩行誘導方法に関する研究− 原田 敦史
  9.  聴覚・言語障害 [座長:田内第二機能回復訓練部長]
  10. 19 食物形態の慣用的表現からイメージされる力学的特性の個人間差異 白坂 康俊 20 当センターにおける小児人工内耳の現況 小林 美穂 21 嚥下障害患者の退院指導 −在宅生活へのかかわりについて− 山ア 咲子 22 らせん神経節細胞の組織培養系の確立 武田湖太郎 23 人工内耳装用小児の音声弁別の発達に関する脳反応 下斗米貴之 24 吃音者・児の聴覚言語刺激に対する脳反応 −近赤外分光法による左右聴覚野優位性の検討− 佐藤  裕 25 耳掛け型メトロノームを用いた吃音訓練 −成人吃音者を対象に− 酒井奈緒美 26 人工内耳症例の抑揚聴取の問題点 森  浩一 <午後の部>(第1会場)
  11.  高次脳機能障害(1) [座長:中島感覚機能系障害研究部長]
  12. 27 高次脳機能障害者のクリーニング訓練 −実践の共同体に基づく訓練方法− 若林 耕司 28 脳損傷患者に対する『遂行機能障害症候群の行動評価(BADS)日本語版』の使用経験 山本 正浩 29 高次脳機能障害に関する電話相談からみる当事者ニーズ 菅原 美杉 30 高次脳機能障害を有する患者の家族支援(その2) 四ノ宮美恵子    −家族小グループによる母親と妻の支援事例から− 31 高次脳機能障害を有する患者に対する神経心理学的検査バッテリーの検討 −記憶を中心に− 田中 大介 32 高次脳機能障害を有する外来患者とその家族に対する心理教育的支援 乗越奈保子
  13.  高次脳機能障害(2) [座長:堀看護部長]
  14. 33 高次脳機能障害患者の家族が自宅退院を決定するプロセスをさぐる    −家族の自宅退院の決定を見守るケアの方向性− 山中かほり 34 発動性低下のある患者の看護 −レクリエーションを用いたアプローチ− 澤田 理紗 35 高次脳機能障害患者40名に対する機能性尿失禁リハビリテーションプログラムの効果 長島  緑 36 高次脳機能障害者の日常生活・就労支援のためのPDA用ソフトウエア 中山  剛 <午後の部>(第2会場)
  15.  全障害 [座長:山内指導部長]
  16. 37 身体障害者更生施設の現状1 −施設調査票から− 白浜  一 38 施設利用後の進路と支援サービスの利用状況 小松原正道 39 各施設の直面している問題及び今後の方向性に関する調査結果 鈴木 克子 40 最近の生活訓練課の取組みについて −主に重度の重複障害を持つ方への対応− 三好 尉史 41 所得等の面からみた障害者の生活実態に関する調査研究    −障害無年金者の生活実態− <H14年度厚生労働科学研究> 杉江 勝憲 42 障害者の健康 −当院「障害者人間ドック」結果から− 佐久間 肇 43 障害児のきょうだい支援ワークショップの効果 北村 弥生 44 国立身体障害者リハビリテーションセンター修了生の就労状況 八巻知香子
  17.  その他 [座長:佐久間医療相談開発部長]
  18. 45 耳鼻咽喉科における嚥下障害の診察 熊田 政信 46 刺激制御システムを用いたシングルパラダイムによる時間分解能の評価 前野 正登 47 fMRIによる高次脳機能障害評価の試み 前野 正登 48 言語聴覚臨床実習の学習効果 −実習にむけた取組みを中心に− 下嶋 哲也