〔野鳥シリーズ43〕
リハセンターに飛来する野鳥を友に
東京都福祉事業協会 母子生活支援施設
スタルト方南 見原 捷三(元理療教育部長)



ハシボソガラス
 平成16年11月(253号)で、ハシブトガラスの記事を掲載した際に、次回はハシボソガラスにしますとお約束しましたが、1月、3月号は、他の野鳥を優先させて今回になってしまいました。
 このハシボソガラスは全長約50cmで農村部に多く見られる細めの嘴をしたカラスに対して、ハシブトガラスは比較的、都市部に多く見られます。
 日本では、北海道から九州まで幅広く各地に留鳥として繁殖しています。採餌の際には、歩いたり跳ねたりして、穀物や昆虫などの小動物を食べますが、ハシブトガラスと比較すると植物質の餌を採ります。また、貯食をする習性や地上から何かをくわえて飛び立ち、空中から落とす動作を、繰り返すことでも知られています。
 産卵期は、3月から6月で卵は3から5個産み、胞卵日数は約20日間、巣立ちまでの日数は、約1か月を要します。
 非繁殖期になると、家族単位で大きな群れを構成して、写真のように数千羽の群れになって、ねぐらに移動する姿が見られます。
 鳴き声は、少し濁った声で「ガヮー、ガヮー」或いは「カポン、カポン」と鳴きます。
 さて、真黒なカラスは1種類だけと思っていた方のために、ここで2種類のカラスの見分け方をまとめてみました。

 @ 大きさは、ハシボソは全長約50cmに対して、ハシブトは約57cmでやや大きい。
 A 嘴は、ハシボソは太くて長細く見えるが、ハシブトは太くて湾曲し額が出っ張っている。
 B 鳴き声は、ハシボソは「ガヮーガヮー」と濁るが、ハシブトは「カーカー」と澄んだ声で鳴く。
 C 鳴くときの姿は、イラストのとおりハシボソは背中をまるめ顔を下げて、お辞儀をするような姿勢で鳴くのに対して、ハシブトは背筋を伸ばして鳴く。
 以上です。今日から、カラスを見かけたら、ハシブトかハシボゾか見分ける際の参考にしていただければ幸いです。


ハシボソガラス ハシボソガラス,ハシブトガラスの鳴く姿