国リハホームページの充実について
管理部企画課 情報管理専門官 谷口 新吾



1 超高速大容量情報ネットワーク社会の動向
  21世紀の社会機能は、大容量の情報が超高速で全世界に向けて伝送されるネットワークによって構築されていくと予測されている。
  2003年(平成15年)末の総務省調べ(情報通信白書)によれば、我が国においては インターネットを利用している人口が7,730万人に達し、実に全人口の約6割がインター ネットや電子メールを利用している状況にある。1997年(平成9年)末の利用人口が1,155 万人であるから、この6年間で約6.7倍の増加をみたことになる。驚異的な増加といって よい。
  一方、世界のインターネットの普及に関する動向としては、2003年の同報告によれば、我が国はブロードバンド契約数において、米国、韓国に次いで第3位、人口普及率に おいて第9位の位置につけている。
  総じて、現在の我が国は「IT(Information Technology(情報通信技術))社会」延 いては政府が指向する「ユビキタスネットワーク社会(人間の生活環境の中にコンピュー タネットワークが組み込まれ、ユーザーはその場所やネットワークの存在を意識すること なく利用できるコンピューティング環境)」の構築に向けて着々とその歩を進めている。


2 国リハの5本柱
  管理部企画課では、「リハビリテーションに関する情報・資料の収集と提供」を行っ ている。当センターにおける主たる事業「5本柱」の一である。
   5本柱は次のとおりであり、各事業部門が有機的連携を図りつつ実施している。
  @ 身体に障害のある方々に対する総合的リハビリテーションの実施。(更生訓練所、 病院、研究所)
  A リハビリテーションの研究と開発(研究所)
  B リハビリテーション専門職員の養成・研修の実施(学院)
  C リハビリテーションに関する情報・資料の収集と提供(管理部企画課)
  D リハビリテーションに関する国際協力(事務局:管理部企画課)
  (注:各事項右端括弧書き部分は主たる部門・部課を示す。)
  1に示した情報ネットワーク社会の動向を踏まえ、当センターにおける「リハビリテ ーションに関する情報・資料の収集と提供」に係る事業推進に当たって、必然センター内 IT化の加速度的な整備・充実が求められることとなった。


3 情報発信の利剣「ホームページ」の大更新
  当センターのホームページは1996年(平成8年)8月8日に開設された。
  開設当初のホームページはセンターパンフレットを中心とした内容を掲載する程度で あったが、その後、国リハニュースや業績発表会資料の掲載等ブロードバンド時代に呼応 して、内容の充実が図られてきた。
  しかし、IT化の高波が押し寄せる中で、センターの顔ともいうべきホームページは、 内容の充実はもとより、「ウェブユーザビリティ」(見易さ、利用のし易さ等)を考慮する 必要に迫られた。
  また、当センターが身体障害者に係る中核的な更生援護施設であることを考えれば、 多様な障害のある方々にとってより閲覧し易いページに改善すべく最大限の配慮を傾注す る必要があり、かつナショナルセンターとして他機関の範たるべきホームページの作成が 期待された。
 (アクセシビリティ(障害者等に利用し易く、アクセスした誰もが同様の情報 を得ることができる状態。)の向上等)
  しかし、いざ全面的な更新ともなればその組織的手順をも含め、技術面においても仔 細に亘って容易なことではなかった。
  幸にも検討の過程において、当センター情報委員会の諏訪委員長(現研究所長)の迅 速かつ的確なご提案、ご指導を逐次得ることができ、試行錯誤の末、2004年(平成16年) 12月20日、新「国リハホームページ」の新たな船出に漕ぎ付けることができたのであった。その時、ホームページ開設の時から丸8年を経過していた。
  この新ホームページへの更新は、当時の宮崎企画課長(現研究所企画調整官)、研究所 田村主任研究官をはじめ各部門関係職員の協力なしでは到底成し得なかったものであり、 この紙面をお借りし厚く御礼申し上げたい。
  また、当課唐島事務官(現国立函館視力障害センター)においては、連日連夜に亘り、 労惜しむことなく獅子奮迅の活躍を示し、その実現に多いに貢献したことは大方の関係職 員のよく知るところである。ここにその功績を記し留め、ご労苦への謝意に替えさせてい ただきたい。


4 今後の展望
  ホームページこそは、今後も益々各機関、施設等において情報発信のための重要なツ ールとなっていくことは間違いないであろう。
  大規模改善したといえども未だ不十分な部分が随所にあり、今後の課題は余りにも多 い。
  先ずは、コンテンツのより一層の充実と、アクセシビリティ向上に取り組んでいきた い。
  事は一気呵成にと申し上げたいところではあるが、もとより職分に不相応な無知蒙昧 の愚生である。何事につけ各部門関係職員の方々の絶大なるご理解、ご協力を得つつ、着 実な改善への歩みを刻んでまいりたい。
  急激な技術革新に遅れをとらぬよう心得つつ、先輩諸氏の忌憚なきご批判・ご指導を いただき、目標を高く掲げ、時代に先駆する良質のホームページ作りに邁進していきたい と思う。


  国立身体障害者リハビリテーションセンターホームページ
  http://www.rehab.go.jp/