〔ワンポイントマッサージシリーズ6〕
〜 東洋の経験と知恵を活かして健やかな毎日を 〜
理療教育部主任教官  柳澤 春樹



6.「頸から肩、腕にかけての痛みやしびれ」
 頸から背中にかけて重苦しさがある。また肩から腕、手指にかけての痛みやしびれがあ るという人は多いものです。これは頚椎の変形などによって神経が圧迫されていたり、頚 部から肩にかけての筋肉などが関係して神経や血管が圧迫されたりして起こるものです。 「頸肩腕症候群」とか「胸郭出口症候群」などと呼ばれるものが多いのです。原因は多種 多様で、専門的にはなかなか難しく、しっかりとした診断のついていない場合も多いよう です。そして症状がなかなか軽快せずにつらい思いをしておられる方も多いものです。
 今回はこのようなしつこい症状を少しでも軽快していただけるような方法をご紹介します。


(1)大椎(だいつい)
 椅子に座り行ないます。首の付け根の骨の突起(第7頚椎棘突起)の直下にあるくぼみ に中指を重ねて当て、上体をそらしながら指圧します。1,2,3で息を吸いながら力を 入れ、4,5,6で息を吐きながら力を抜いてもとに戻ります。これを5・6回繰り返し ます。

(図)大椎(だいつい)
図1


(2)天宗(てんそう
 椅子に座って行ないます。肩甲骨の真ん中付近で押すと心地よい痛みを感ずるところに 反対側の人差し指から小指までを当てて1,2,3,4,とリズムを取るように大きく揉 むようにします。5・6回行なったら反対側にも行ないます。

(図)天宗(てんそう)
図2


(3)肩井(けんせい)
 やはり座ったままで行なえます。首の付け根から肩先までの中央に反対側の4本の指を 当て1,2,3と息を吐きながら強めに指圧し、4,5,6で息を吸いながら力を抜きま す。5・6回くりかえしたら反対側にも行ないます。

(図)肩井(けんせい)
図3


 この他にも沢山の効果的な「ツボ」などが知られていますが、痛みがつらい方の肩から 腕にかけて、反対側の掌を使ってのマッサージをしたり、両手の指を組み合わせて肘を伸 ばした状態で腕を上に挙げるようなストレッチなども試してみてください。
 ただし、決して不用意な強い矯正術などは行なってはいけません。