〔更生訓練所情報〕 |
ウィルチェアーラグビー部 |
指導部指導課生活支援専門職 佐々木 桂 |
ウィルチェアーラグビーは、四肢麻痺者等(頸髄損傷や四肢の切断、脳性麻痺等で四肢に障害を持つ者)が、
チームスポーツをする機会を得るために1977年にカナダで考案され、欧米では広く普及している、車いすによる
国際的なスポーツです。
1996年のアトランタパラリンピックではデモンストレーション競技として初登場し、2000年のシドニーパラリン
ピックからは公式種目になりました。
日本では1996年11月に正式に競技が紹介され、1997年4月に連盟が設立されています。現在は、競技の国内普
及と、パラリンピックや世界選手権等の国際大会への参戦を目標に活動を行っています。(日本ウィルチェアー
ラグビー連盟作成資料より)
現在約10名の部員で活動をしています。練習は毎週金曜日の夕食後で、クラブ部員のほか、修了生、関東周
辺のクラブチームの協力も得て行っています。国リハのチームとして対外試合への出場は実現していませんが、
外部チームとの交流試合を重ねてチーム力をアップすることが当面の目標になっています。
かつては利用者と修了生がアテネパラリンピックに出場した実績もあります。それらの選手も定期的に練習参
加しており、実力のある選手のプレーを肌で感じながら着実に力をつけています。国リハ修了後も各地域のクラ
ブチームで活躍している選手も少なくありません。
部長の峰島さんは、「まずは練習を見てください」と語ってくれました。「車いすと車いすがぶつかり合う音
、迫力、そしてスピード感は、他のスポーツでは味わえない感動があります」との言葉どおり、練習中「ガツー
ン、ガツーン」と驚くほどの音を立て、まさに車いすの格闘技といった印象です。そんな競技だけあってチーム
練習以外に個人での筋力トレーニングも欠かせないことを話してくれました。「当り負けをしない体作りが基本
、それがチームを強くする」のだそうです。
最後に峰島さんにとってウィルチェアーラグビーの魅力について質問してみました。彼の役割はハイポインタ
ー(障害のレベルに持ち点が高い)であり、なんと言ってもトライの瞬間が一番気持ち良いそうです。しかし、
チームの勝利のためにはローポインターの選手がしっかりと相手の攻撃を封じ込めることも大変重要で、各障害
レベルの選手の力が合さって勝利を得ることがゲームとしてのおもしろさであり、魅力のひとつだそうです。チ
ーム一丸となって“初勝利”を目指したいとのことでした。