〔野鳥シリーズ52〕
リハセンターに飛来する野鳥を友に
日本福祉教育専門学校
見原 捷三(元理療教育部長)


アオバズク
 このアオバズクは名前が記すとおり、日本では青葉がまぶしい5月下旬頃に夏鳥として、主として東南アジアから全国各地に飛来します。
 容姿は、写真のように頭巾をかぶったような頭で、金色の目がとても可愛らしいフクロウの仲間です。大きさは、全長20〜29cm、顔・背はチョコレート褐色、胸は白色に橙色の太い縦斑があります。
 飛来すると全国各地の平地から山地の林にいますが、社寺境内等の大木の洞にも営巣して、3〜5卵を雌のみで抱卵、約25日で孵化し、約28日で巣立ちます。孵化するまでの間、雄は巣穴の見える枝に止まり見張っていますが、孵化後、雌は巣穴から出て見張りを交代します。その場を譲った雄は、少し離れたところに移動して引き続き見張りを続けます。
 この写真は、我が家(狭山市内)の近くの広瀬神社で撮影したものですが、この写真がまさに、見張りをしている雄の姿です。
 餌は、昆虫類を主食とし、他にカエル、小鳥なども捕らえて雛に運びます。このアオバズクは、もちろん、夜行性で夕方から早朝にかけて活発に動き回ります。観察を続けている間は、殆んど見かけなかったセミが、アオバズクが居なくなったと同時に、急にセミの声が聞こえ始めました。
 繁殖期の鳴き声は、夜間に「ホッ、ホッ、ホッ、ホッ」と2音づつ区切って鳴くと、少し時間を置いて、繰り返して鳴きます。広瀬神社の近くの住民の中には、夜はこの鳴き声がうるさくて困ると言っていた方がおられました。
 このように、このアオバズクは、大変身近な野鳥で皆様がお住まいの近くの神社に大木があれば、そこで営巣していたり、或いはリハセンター構内でも夜になると、活発に飛び回っているかもしれません。ただ、残念なことに昼は木の茂みに隠れて殆んど姿を見ることができませんが、夜に「ホッ、ホッ、ホッ、ホッ」と聞こえてきたら、アオバズクに間違いありません。


(写真)アオバズク