〔ワンポイントマッサージシリーズ10〕 |
〜 東洋の経験と知恵を活かして健やかな毎日を 〜 |
理療教育部主任教官 柳澤 春樹 |
10.「胃のもたれ・胸やけ」
今回から、しばらく消化器系に関する症状を取り上げてみましょう。まずは、胃の働きが鈍くなって食べたものが長時間胃の中にとど
まったときに感じる「胃のもたれ」を取り上げてみます。このような状態のときは胃酸も多く分布され、胸やけを起こします。
このような症状は主に体質的なもので、色白でやせ型、冷え症で神経質な人が多いものです。
1.座った姿勢で行ないます。みぞおちと臍の中間に両手の指を重ねて置き、1、2、3と息を吐きながら、ゆっくりと前かがみになり
つつ指圧します。4、5、6で息を吸いながら力を抜いてゆきます。これを5・6回繰り返してみましょう。
(「ちゅうかん」、図1)
2.椅子に座って行なうことができます。みぞおちの高さにある脊椎(第12胸椎)の突起部(棘突起)の外側で指の幅2本分のところにある
ポイントをこぶしの中指のつけ根を使って指圧します。この部位は胃の慢性疾患に効果があると言われています。息を吸いながら身体を反ら
して力を入れ、息を吐きながら元に戻ります。これを5・6回行ないます。しかし、これは五十肩などがある方は痛くてうまくできませんの
で、そのときは仰向けになってゴルフボールなどを使うのも良いでしょう。ただし、この場合は刺激が強くなりがちですので、注意してくだ
さい。
(胃兪「いゆ」)(図2)
3.膝蓋骨の下で指4本分でむこうずね(脛骨)のすぐ外側にある部を押し揉みします。息を吐きながら1、2、3と押し揉みし、4、5、
6で息を吸いながら力を抜きます。これを5・6回くりかえします。この「足の三里」は胃の慢性症状だけでなく、古来より万病によいとい
われている重要なツボです。
(足の三里「さんり」)(図3)
両方の掌を重ねて、臍の周りを時計回りに最初は小さく、次第に大きくなるように撫でるようなマッサージをしたり
、ここに紹介したツボを暖めるのもよいでしょう。
いずれにせよ、全身の健康に留意するのが第一です。規則正しい生活を送り、暴飲暴食を避け、バランスの取れた食
事に努めてください。