〔国際協力情報〕
平成18年度JICA補装具製作技術コース研修員紹介
管理部企画課



 今年度のJICA補装具製作技術コースが9月19日から始まりました。本年度の研修員は、コロンビア及びザンビアからの2名 です。当センターにおいて、11月30日までの3ヶ月弱、下腿義足、大腿義足の製作を中心として、関連領域の講義、他の義肢 装具製作所やリハビリテーションセンターの見学、学会参加を含めた研修を行ないます。  本号では、2名の研修員に自己紹介をしていただきましたので、ご紹介します。


(写真1)アンドレス・トレス・ベラスケスさん
アンドレス・トレス・ベラスケスさん

 私はコロンビアから来た、アンドレス・トレス・ベラスケスです。年齢は38歳です。アンティオキア県にあるコロンビア第2の市、 メレジンで生まれました。
 仕事はアンティオキア工科大学(スペイン語でEIAといいます)の生体工学科の教授をしています。担当している講座は、“リハ ビリテーションに関する生体工学、デザイン、工学”で、学科長でもあります。大学での教鞭の他に、医療機器や義肢装具等のリ ハビリテーション関連機器、競技用自転車のデザイン等の仕事もしています。私は生体工学の専門家であり、主な研究分野は脳神 経外科の機材、単軸膝、多軸膝、カーボンファイバーを使用した大腿義足、脳性麻痺の子供の姿勢保持システムのデザイン、新生 児用保育器の開発、歩行分析・スポーツ動作に関する研究室設備の研究です。
 私は、17年前からトライアスロンをしています。トライアスロンのレースを3回完走したことがあります。(3800メートル水泳 、180キロ自転車走行、42キロマラソン)フォーミュラ・ワンも好きで、特にフェラーリの大ファンです。また、油絵も趣味の一 つで、レオナルド・ダ・ビンチをその芸術性と発想のすばらしさでとても尊敬しています。
 さて、今回の研修についてですが、JICAと国立リハセンターによる本研修に参加できた事は、私の人生で非常に重要な経験で す。研修内容はよく計画されていて、指導職員の方々は多くの知識、経験を元に、研修指導に必要な高い能力を持っています。 国立リハセンターは美しい施設で、支援を必要としている人々に対するその仕事ぶりは世界の見本になるものです。
 日本は世界で最も美しい国だと思います。これまでに私は幾つかの国々を訪れましたが、今回の来日で、美しい庭園やすばら しい寺を見ることができました。東京は非常に良く整備されていて街も清潔です。日本人は皆教育を受けていて、他の人への気 配りもできます。日本で暮らしている今も自分の家に居るような感じで過ごしています。食べ物も健康的です。
 私は毎日、ランニングをしていますが、沢山の人々がスポーツをしているのを見てうれしい気持ちになります。この美しい自 然や風景を見ると、パラダイスにいるようです。きっと夢ではないかと思います。
 今回、この紹介記事で自分の事や日本の印象について書く機会を得られて幸いです。



(写真2)チシンバ・ピーターさん
チシンバ・ピーターさん

 私はチシンバ・ピーターといいます。ザンビア保健省に所属する義肢装具製作技術者として働いています。私の仕事は義肢装 具を必要とする患者さんの状態を事前に検査、評価し、外科医に処方を出してもらい、希望に合った義肢装具を製作することで す。外科医と協力して適合を行い、お渡しします。
 また、患者の義肢装具を修理する仕事もしています。できる限り患者が必要とする義肢装具を提供する事が私の仕事です。
 私の自己紹介をします。私はザンビアで生まれました。家族は妻と男の子1人と女の子1人です。休みの日には家族と一緒 に映画を見たり、音楽を聞いて過ごします。
 今回の研修についてですが、整形外科に関する技術は日々進歩していますので、本研修に参加でき、下腿義足に関する新し い知識や技術を学ぶ機会を得られて、大変うれしく思っております。
 この研修会に参加できたことにより、こういった研修に参加する機会のなかった技術者仲間に新しい知識や製作技術を伝え ることができます。
 日本の印象は、非常に良く開発されていて、日常生活も便利に送れるようになっているということです。人々は時間に正確 で、忠実に仕事をしています。
 日本で生活してみてこのような生活感覚を持つことが、国の発展の秘訣であると思いました。