〔野鳥シリーズ54〕 |
リハセンターに飛来する野鳥を友に |
日本福祉教育専門学校 見原 捷三(元理療教育部長) |
チュウサギ(中鷺)
今回は、前号のコサギに続き同じシラサギの仲間のチュウサギを紹介します。
このチュウサギは、全長65〜72cmで翼開長が105〜115cmの中型のシラサギです。このチュウサギも雌雄同色で、
全身が白色をしています。
繁殖地は、アフリカ、アジア、オーストラリアの熱帯から温帯に広く分布しています。
日本には、夏鳥として渡来し本州から九州までの各地の水田や湿地などに広く繁殖して、餌は昆虫、カエル、ザ
リガニ、魚などを食べます。
繁殖期になると、樹上に草の茎や小枝を用いて皿形の巣を作り、卵の数は3〜5個を産み、抱卵日数23日位、巣
立ちまでの日数は約30日を要します。
さて、シラサギの仲間のコサギ、チュウサギ、ダイサギ、ゴイサギなどは、集団で繁殖し、いわゆる鷺山を形成
することが知られています。この中で、チュウサギはかつて各地の鷺山で最も個体数が多い種でしたので、これに
伴い市街地の周辺で糞害が起こることも有りました。
しかし、最近は個体数が除々に減少しており糞害も聞かれなくなりました。これも自然環境の変化からくるもの
と考えられますが、糞害は減少しても個体数が減るということは、寂しい限りです。
鳴き声は、「ゴヮーゴヮーゴヮー」或いは「グウッグウッ」と鳴きますが、シラサギの仲間は同じ鳴き声に聞こ
えますので、特定することは難しいようです。
この写真のとおり、夏羽の嘴は黒く目先は黄色ですが、これが冬羽になると嘴は黄色に変化します。
前号にも書いたとおり、シラサギは結構上空を飛んでいますので、リハセンターや皆様のご自宅周辺で観察でき
ると思います。
〔お詫び〕
国リハニュース279号(平成19年1月号)当シリーズ53において、「コサギ(小鷺)」の表記が「コサギ(子鷺)」となっておりましたのでここに訂正いたします。