〔魚拓シリーズ11〕
アイナメ
前更生訓練所理療指導室長 川政 勲



 アイナメ科。日本沿岸各地、朝鮮半島南部及び黄海に分布。底生性で沿岸の岩礁域や砂利底に生息する。単独生活をする。体色は一般に淡褐色〜茶褐色だが生息場所により暗緑色や灰色などに変化する。

 北海道ではアブラコ、青森ではアブラメと呼んでいる。

 作品のアイナメは、噴火湾の森沖で釣ったものだ。

 細い竿の道糸に30ぐらいのブラーを結び、餌の「エラコ」を付け、遠くへ放り、変化を付けながら糸を巻いてくると飛びついて食ってくる。

 時には50〜60センチの大物が掛かってくるが、釣り場が場荒れしてしまい、余り大きい魚は釣れなくなってしまった。

 伊東から釣りの師匠が来函し、函館の釣りを楽しみたいと所望され、森沖でのアイナメ釣りに出かけた。大きな遊漁船に乗り、ポイントで早速仕掛けを遠投し、糸を巻くが小さい魚しか釣れない。しばらくして船の下へ仕掛けをたらしたら、師に大物が掛かった。私も同じように船の下へ仕掛けを下ろしたところ、同じくらいの大物が掛かった。

 両方とも45センチをこえていた。

 大小合わせて、30匹ほど釣って函館の釣りを堪能していただいた。

 小さい方は「スジアイナメ」と言って余り大きくはならないが、比較的よく釣れる。


蝸牛日本に増へし一人っ子  いさお


(写真1)アイナメ