〔クラブ活動紹介シリーズ12〕
サウンドテーブルテニスクラブ
更生訓練所理療教育部 加藤 麦


1.サウンドテーブルテニス(STT)とは

 一般の方はあまり耳にしたことのないスポーツだと思いますが、テーブルテニスという言葉から卓球の1種であることは想像できるのではないでしょうか。STTは盲人卓球のことで、今では横文字を使って呼ばれています。

 普通の卓球では球がネットの上を越しながらプレイを進めて行きますが、STTではネットを台から4.2cmの高さに張り、ネットの下を転がすようにしてプレイを進めて行きます。また、サウンドと名前が付いているように「音」を頼りにプレイをすることも大きな特徴で、使用する球は大きさが一般の卓球に使用するものと同じで直径4cmですが、見えなくても音で動きがわかるように、中に小さな金属球が4個入っています。さらにラケットにはラバーが貼ってありませんので打球も音で確認することができます。

 実際のゲームでは、サーブを打つ人は審判が「プレイ」と言ったら、10秒以内で必ず「行きます」と言います。そして相手は5秒以内に「はい」と返事をします。この返事がない限りサーブはできません。そして返事から5秒以内にサーブを打ちます。打球音は明確にさせないとホールディングをとられます。得点は21点制で3ゲームです。


2.クラブ活動状況

 現在の部員数は6名で、全員が理療教育課程に在籍している利用者の方です。部長の鵜澤さんは唯一の女性部員であり、クラブのまとめ役としてリーダーシップを発揮しております。毎週火曜日の放課後に第2体育館で1時間程度の練習をしています。練習内容としては、サーブ、レシーブ、ラリーなど基礎から実践まで少人数を活かした効率的な練習プログラムで行っています。

 また、当クラブの特徴として、STTだけでなく部員同士での理療教育課程の学科や実技の勉強会も定期的に開催していることです。クラブ活動の意義として、このようなチームワークが日頃の勉学にも応用されていることを担当職員としてたいへんうれしく思っています。


3.勝利を目指して

 当クラブの活動目標は、年1回(5月下旬)開催される塩原視力センターとの交流戦での勝利です。今年度も5月26日に塩原視力センターへ遠征し、圧倒的アウェイの中で5試合が行われ、5試合ともに我がリハセンターが勝ち取り、4年連続の勝利となりました。現在は来年リハセンターで開催予定の交流戦に向けて既に動き始めています。


4.さいごに

 今年度の新入部員は1名だけで、当クラブにおける部員数は減少傾向にあります。しかし、部員の皆さんは少人数での活動を逆に上手く利用して、クラブ活動や勉強会、さらには親睦会など部員同士の交流を深めています。このような人との交流や集団での活動、また体を動かすことによる健康づくり、趣味としてリフレッシュは日々の訓練の場でも活かされ、さらには卒業後の地域社会での生活でも活かされていくことと思います。最後に毎年交流戦が近づくと練習のお手伝いに来てくださるボランティアの城下訓子さんに心よりお礼申し上げます。



(写真1)試合の様子


(写真2)集合写真





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