〔学院情報〕
平成20年度リハビリテーション心理職研修会(基礎)を終えて
(研修担当)指導部相談判定課 主任心理判定専門職 有馬早苗


 平成20年度リハビリテーション心理職研修会(基礎)が去る5月21日(水)〜23日(金)の3日間、当センター学院において開催されました。
 本研修会は毎年、学院研修会の新年度のトップバッターとして、短い募集期間にもかかわらず多数のご参加をいただいておりますが、今年度も定員20名に対して29名もの方々にお申し込みをいただきました。
 地域は北は岩手県から南は沖縄県まで18都府県から、また、経験年数も4月採用のフレッシュマンから、職場を担う中堅の方まで様々でした。特に今年度は更生相談所・病院・施設等の心理職の方だけでなく、OT,PT,生活支援員といった近接領域の専門職も5名受講され、近接領域でも心理学的アプローチの重要性が改めて再認識されてきたということでしょうか。研修宿舎利用の方を中心に研修時間外での交流も組まれて、3日間をフル活用していただきました。
 受講者のアンケート結果等の反省から、昨年度まで5日間だった研修日程をより参加しやすい形の3日間に短縮したこともあって、今回のプログラムは別表のように盛りだくさんになりました。講師の先生方の熱のこもった講義のみならず、特にご希望の多かった病院見学も今回から盛り込むことができて、心理職のみならず近接領域の方のアンケート結果からも概ね「参加してよかった」との評価を得ることができました。
 また、講義内容についても「基礎的内容がきちんと盛り込まれていた」「自立支援法を包括的に把握できた」「高次脳機能障害について深く理解できた」といったコメントがあり、研修会全体としても「他の心理士との交流ができて有意義だった」「心理士としての自分を見つめ直す機会になった」との評価で、担当者一同、胸をなで下ろしました。要望や提案がびっしり書き込まれた全員からのアンケートが何より今後の励みになります。
 最終日にはほぼ固まっていた9月の応用研修会の内容を研修会場でアナウンスしましたが、「基礎が想像をしていた以上に充実していたカリキュラムだったので、9月の応用も是非参加したい」「何年か経験を積んで参加したい」と声をかけていただいたのが一番の収穫でした。学院のナナカマドの実が朱く実る頃に、また、全国の心理職の方をお迎えするのを楽しみに準備をしているところです。



(写真)平成20年度リハビリテーション心理職研修会(基礎)に参加した方々


平成20年度 リハビリテーション心理職研修会(基礎)
月日
午前
午後
5月21日(水) ・開講式・オリエンテーション
    ( 9:40〜10:30)
   ※センター案内ビデオ放映

① 発達障害について
    (10:30〜12:30)
   全国療育相談センター
   児童精神科医    栗田広
②高次脳機能評価
    (13:30〜16:00)
   障害者職業総合センター
   主任研究員 田谷勝夫

   国立身体障害者リハビリテーションセンター
   更生訓練所見学
    (16:00〜17:00)
5月22日(木) 国立職業リハビリテーションセンター見学
     ( 9:00〜10:00)

③ 障害者自立支援法について
    (10:00〜12:00)
   厚生労働省社会・援護局
   障害保健福祉部
   障害福祉専門官 白浜一
④ WAIS-Ⅲの開発経緯と概要
    (13:00〜16:00)
   筑波大学大学院
   人間総合科学研究科
   講師 山中克夫

   国立身体障害者リハビリテーションセンター
   病院見学
    (16:00〜17:00)
5月23日(金) ⑤ 精神障害とリハビリテーション Ⅰ
   −心理的アプローチから−
    (9:00〜12:00)
   茨城県立友部病院
   臨床心理士 小原昌之
⑥ 精神障害とリハビリテーション Ⅱ
  −うつ・統合失調症に焦点をあてて−
    (13:00〜15:00)

   国立身体障害者リハビリテーションセンター病院
   精神科医長 浦上裕子

・閉講式
    (15:00〜15:30)