〔国際協力情報〕 |
帰国研修員レポート |
管理部企画課 |
当センターではこれまでに海外から600名を超すリハビリテーション従事者が研修を行いました。帰国研修員は日本で研修した技術や知識を生かし、母国で活躍しています。今回はその中からインドの帰国研修員に近況報告をしていただきました。
Mr. Patra Aratatran (パトラ・アラタトラン)
私はパトラ・アラタトランです。インドの西ベンガル州のコルカタ(以前はカルカッタと呼ばれていました)にある国立身体障害者センターでインストラクターとして働いています。私は1999年から2000年までの10ヶ月間、神奈川県の国際交流プログラムの義肢装具に関する技術研修で日本に滞在しました。日本で研修を受けた時は28歳でしたが、約10年が過ぎて今は37歳になり、義肢装具の分野に従事して15年です。
日本にいる間に、神奈川県総合リハビリテーションセンターを本拠地として、国立身体障害者リハビリテーションセンター、アガペ作業所で研修を受けました。国立リハビリテーションセンターでの研修は短期間ではありましたが、とても役に立ち、義肢装具士の方々から多くの事を学びました。
帰国後数年間は、インド国内のNGOでの活動やWHOに協力してインドのポリオ調査プロジェクトに参加しながら、義肢装具技術者に対する知識や技術の普及に取り組みました。
また、2004年に発生したインド洋大津波の被災地であるアンダマン諸島とニコバル諸島(インドネシアのアチェの北東に位置する諸島でインドに属している)ではリハチームの一員として被災者の救済に従事しました。
現在は、国立身体障害者センターを基盤に、患者さんへの義肢装具のサービス、義肢装具技術者を対象とした短期技術研修プログラムの実施(国立リハビリテーションセンターの義肢装具士の三田さんにはインドまで来ていただき、国中から集まった技術者への指導をしていただきました)、大学の義肢装具学科の学生の指導、いろいろな地方を訪問して義肢装具に関する評価と診断を行ったり、障害がある人達に必要な義肢装具や自助具を提供するキャンプを100回以上実施する等の活動を行っています。休日はジャイプール等の地方のCBRプログラムや病院の義肢装具部門の支援を行っています。義肢装具に関する臨床については、デザインから従来型の義肢、モジュラー義肢(部品を組み立てて作成する)の製作を行っています。
私は日本で学んだ技術や知識をこのような形で障害がある人々のために生かしています。
最後に、プライベートでは写真のように妻と2人の娘(シャンティとシャクティ)の4人家族です。州のクイズ大会(インドでは州レベルのクイズ大会があるそうです)では2位になりました。日本で覚えた日本語を忘れないように、時々メールで日本語文を書いています。
![]() |
(写真) インド北部のチャンディガールで開催された展示会で社会正義・エンパワーメント省の大臣に下肢装具を説明している筆者 |
![]() |
(写真) 地方の障害がある人々のためのキャンプ |
![]() |
(写真) 筆者の家族 |