〔更生訓練所情報〕
特別支援学校を対象とした利用者募集活動
〜施設体験会、個別見学会を実施して〜
総合相談支援部 総合相談課


 総合相談課では、利用者募集活動の一環として、特別支援学校の生徒、保護者、教員の皆様を対象に昨年度まで利用説明会を毎年開催して参りました。しかし、個々のニーズや障害特性等に応じた相談に対応しにくいという反省があり、今年度は施設体験会と個別相談会を実施しましたので、ご報告申し上げます。

施設体験会「ためして国リハ!ジョブ・プログラム」

 初めての試みとして、就労移行支援課の協力のもと、オープンスクール形式の施設体験会を9月6日(土)に行いました。東京都、埼玉県の特別支援学校(養護学校)にご案内をし、当日は生徒7名、保護者11名にご参加頂きました。午前中はオリエンテーションの後、一般事務5名、織物・トールペイント1名、クリーニング1名が各訓練室に分かれ、職員の説明に沿って、約2時間の訓練体験をしました。
 事務作業では伝票の電卓計算、漢字練習ソフトや漢字仮名交じり文入力練習を行いましたが、緊張しながら一生懸命に取り組む姿が見られました。
 クリーニングやトールペイント体験では、作業手順等を工夫して片手作業が可能であることを楽しんでいるようでした。
 午後には、宿舎の見学と施設利用に関する説明会を行い、洗濯や掃除など寮生活の自立に備えて自宅でも練習をしようと話し合ったり、介助体制への質問などもあり、次のような感想が寄せられました。
①生徒の感想
・詳しく訓練を知ることができて、ためになった。
・やったことのないことを経験できて良かった。
・片麻痺でも工夫をしていろいろな事ができるのだなと思った。
・自分の苦手なところがわかったので良かった。
・伝票整理に時間がかかってしまった。
・漢字の読みが難しかった。
・実際に経験をし、色々な情報を教えてもらって良かった。
・緊張とわからないことの多さで疲れてしまった。
・2時間は少し長かった。
・高床式のトイレを増やして欲しい。
・給食を食べたかった。
②保護者の意見
・実際の訓練を体験できて良かった。
・以前に見学をして説明ではわからりにくい部分があったが、今回の体験で理解できた。
・本人が苦手な部分を入所までの間に練習することもできると思った。
・昼食は利用者食堂で試食してみたかった。
・視覚障害があり、その点について道具の使い方や助言など情報提供があり役立った。
・土曜日の施設体験は本人にとっては少し気が重かったようだ。
・土曜日の開催ありがとうございました。
・春休みや夏休みに行えば父兄ともに多くの参加ができると思う。
・自立支援法の話はわかりやすくてよかった。

 当日の訓練体験場面を通じて、障害が複合する方では、肢体不自由以外の障害についての環境整備のアドバイスをあまり受けていない方もおりましたので、補助用具等の情報提供を行いました。寮の利用については、部分介助をニーズとしてあげる方も増えています。
 今回の施設体験会の実施によって、これまでの集団説明会では捉えにくかった個々のニーズが明らかとなり、改めて体験会を通じて相談に対応することができたのではないかと感じております。多機能である当センターならではの利点を発揮することによって、ニーズに応えることが十分可能であると思われます。

 

個別見学会
 今年度の個別見学会は、全国の特別支援学校(養護・病弱・ろう・盲学校等)にお知らせし、6月から10月現在までに、延べ36校、生徒62名、保護者70名、教員52名を個別外来相談としてお受けしています。
 情報処理(パソコン)の授業が当たり前になった現在では、多くの方がある程度の操作練習に慣れている傾向があります。むしろ学校の寄宿舎も今や介護ありきの生活となっている現状があり、ADL訓練や介護体制を希望する声が目立ちました。
 また、ろう学校等の見学者からも施設体験会をしてくれませんかというご要望をいただきました。
 各特別支援学校から見学会や体験会のニーズがあげられており、これに応えることで利用者募集の成果が期待できると思われます。

 

(写真)施設体験会