〔更生訓練所情報〕
理療教育課程の授業公開について(報告)
理療教育・就労支援部 授業公開実施係


はじめに
 去る8月28日に理療教育課程の授業公開を実施しましたので、その概要についてご報告いたします。
 今年度も利用者の募集や就職活動を側面から支援することを目的に、授業公開を中心として、関係機関の方々に当センター理療教育課程に在籍している利用者の訓練の様子を実際に見ていただきました。また、昨年度も参加者から好評であった、利用者によるあん摩マッサージ指圧、鍼、灸施術の体験、さらには利用者との懇談会も企画いたしました。

 

参加状況
 今年度の参加者は12名であり、内訳は市区町村の福祉担当者3名、労働局またはハローワーク職員8名、生活支援センター職員1名でした。

 

公開の内容
 主な内容は、①カリキュラム、進路等、理療教育課程の説明会、②実技、学科等授業見学、③あん摩マッサージ指圧、鍼、灸施術の体験、④利用者を交えての懇談会、⑤宿舎見学です。
 授業の見学では2つのグループに分かれ、各教室や実技室に入っていただき、実際の授業の内容や利用者の学習風景を見ていただきました。利用者それぞれが様々な補助具を利用して授業を受ける様子に、参加者の方々は興味深く見学していました。施術体験では臨床実習室にて見学者の方に利用者の施術を体験していただきました。あはき施術を初めて受ける方がほとんどであり、今年度も大変好評でした。その後、施術をしていただいた卒業学年の利用者の方と参加者の方で懇談会を開きましたが、視覚障害者の就労、とくにヘルスキーパーとしての就労を目指すには、何をすべきなのかということについて、利用者と参加者の方々とが一緒になって考え、白熱した議論が交わされていました。

 

参加者の意見・感想
 授業公開後にご協力いただいたアンケートから参加者の意見・感想を紹介させていただきます。

実際ハローワークにおいて紹介業務をしていても、今まで自分で鍼灸、あんま等、受けたことがなかったので、今回は大変参考になった。訓練生が明るく目標に向かって努力している姿を見ることができてとても良かった。
視覚障害者の方に入所を勧めるにも、見学をしていると細かく説明できるので、とても良かった。見学はこれからも続けて欲しいと思う。
私自身、無知の部分が多く勉強になった。職安ができることは何か、持ち帰り検討させていただきたいと思う。
是非このような授業公開は続けて実施して欲しいと思う。生徒さんのどちらかと言うと明るさに驚かされ、うれしく感じた。
福祉事務所として案内させていただいているが、やはり一度自分の目で見た上でご案内ができると、より説明力が上がると思う。今後も見学、お話を伺える場を作っていただけるとありがたい。
資格試験の時期的な問題で就活時期が難しいが、求人情報の提供等、ハローワークにてお手伝いできるところがかなりあると感じた。
ヘルスキーパー希望の方が多く、ハローワークでも求人情報の提供でお役に立てると思う。ハローワークには障害者雇用率達成指導の中でも、企業と接触しているので、その点からも連携が取れれば良いと思う。


おわりに
 今年度は後期にも授業公開を予定しております。こちらでは職域拡大を目的として、視覚障害者あはき師の採用を検討している企業や医療機関、養護施設などを対象に開催する予定です。これまで以上に自信を持って公開できる授業、支援サービスを目指し、理療教育・就労支援部一丸となってこれからも努力していきます。

 

(写真)利用者を交えての懇談会