〔魚拓シリーズ22〕

「シラコダイ」

前更生訓練所理療指導室長 川政 勲

 


 タイと名前がついているが、チョウチョウウオ科の魚で本州の中部から台湾、フィリピンに分布。数十メートル以浅の岩礁域に棲息する。
 群れをなして泳ぐ様子は素晴らしい光景だそうである。
 このシラコダイは昨年の夏、孫を連れて伊東に海水浴に行った際、列車で着く予定の時刻を待つ間、乗合船に乗り伊東の沖に出て、船頭に「魚拓に適した魚を釣りたい」とお願いし、そのポイントに船を留めて仕掛けを降ろした。最初はサクラダイのオスとメスが面白いほど釣れ、内心「しめしめこれで3つの教室の生徒分は確保できた」とほくそえんだ。サクラダイもさることながら目標はシラコダイ。岩礁周りのポイントへ案内していただき、仕掛けを降ろすとこれもすぐにアタリ。引きが強烈なので大きいのが掛かったのかと喜んだが、ハリが背中に引っかかる「スレ」で、暴れるために引きが大きくなる。何度仕掛けを降ろしてもスレばかり。1回に1匹ずつと能率が悪い。結局10匹しか釣れなかったが、釣果に満足し綺麗な作品に繋がった。
 一緒の魚はサクラダイである。

 

氷点下二十度遠き子を想ふ  いさお



(図)シラコダイとサクラダイ

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