〔ワンポイントマッサージシリーズ20〕
東洋の経験と知恵を活かして健やかな毎日を
柳澤 春樹(元理療教育部 主任教官)



20.「のぼせやすい」

 

 今回は「のぼせやすい」ことで悩んでいる方を中心にその対処法をお伝えしましょう。前回取り上げた「冷え症」のある方にのぼせやすい人が多いとも言われています。太りぎみだったり、赤ら顔をしていたり、元気な人に多いものです。卒中体質や感情が高ぶりやすい人によくみられます。
 のぼせは一時的に血液が脳に充血している状態です。原因は様々ですが、感情的なものや内臓的なものがあります。胃腸疾患のある人は特にのぼせやすいとも言われます。前回のシリーズ19「冷え症」(平成20年2月号掲載)とも密接な関わりがありますので、そちらも参考にしてください。

 

1.椅子に座って、両手の中指に人差指を添えて、喉仏の外側で脈を打っているのを触知できる部位(図1)を突き上げるように指圧します。1,2,3で息を吸いながら首を後にそらせながら力を加えて指圧してゆき、4,5,6で息を吐きながら力を抜きもとの位置に戻ります。5・6回くりかえします。

(図1)人迎「じんげい」
「(人迎「じんげい」)(図1)」

 

2.椅子に座って行なえます。両手の中指を重ねてツボ(額の真ん中で前髪の生え際より少し入った部位)を指圧します。やや前かがみになりながら1,2,3、と息を吐きながら力を入れ、4,5,6、で息を吸いながら力を抜き、もとに戻ります。5,6回行ないます。

(図2)神庭「しんてい」
「(神庭「しんてい」)(図2)」

 

3.外くるぶしとアキレス腱の間にあるくぼみを中指で指圧します。1,2,3、で息を吐きながら力を入れ、4,5,6、で息を吸いながら力を抜きます。5,6回行なったら反対側にも行ないます。

(図3)崑崙「こんろん」
「(崑崙「こんろん」)(図3)」

 

 あん摩マッサージ指圧だけでなくいろいろな手技療法は、その力の入れ方や方向などによってその効果は大きく異なってきます。御自分で行ないながら、気持の良い範囲で体にしみこむような「ズーン」あるいは「グーン」と響くような感じの刺激を何回か試して一番良いものをみつけてください。

 

 

 

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