〔平成21年度重点事項〕
更生訓練所
 

 更生訓練所では、指定障害者支援施設として質の高いサービスを提供しつつ、重度障害者や発達障害者への支援等の新たな分野に取り組み、病院、研究所及び学院と連携のうえ、総合的リハビリテーションサービスを実施していくことを総合的な方針としております。
 特に平成21年度は、これまでのサービス内容を検証し、これに基づいたサービス提供、地域との連携強化及び情報発信を重点として運営を行う方針です。
   
サービス提供成果の向上
 就労移行支援サービスでは、新たな実習先の確保や就労支援機関との連携を強化する等により就職率の向上を目指します。また、就労移行支援(養成施設)サービスでは、利用者全員の合格を目指し、分かりやすい授業や個別補習の推進など、教育効果を向上するための取組みを強化します。
   
利用者増対策
 例年の郵送による募集を継続する他、特別支援学校や回復期リハ病院への訪問等による募集活動を強化します。また、利用希望者の医療情報や日常的な介護状況等を的確に把握し、障害状況に応じた円滑な利用が可能となるよう関係部署と調整するなど、利用相談の充実を図ります。
   
サービス提供体制の整備
(1) エビデンスに基づくサービス提供
   就労支援に係る各地域の関係団体や社会資源のデータ化
     就労支援に関して、事業所及び地域の生活や就労を支援する関係機関の情報をまとめ、冊子等にして利用者に配布し、修了後の生活に役立てます。
   就労移行支援(養成施設)における教育内容の客観的評価方法の確立
     すべての実技科目において複数の教官による技能評価を行います。
   成果の公表
     視覚障害者に対する機能訓練の評価尺度を作成し公表するとともに、訓練マニュアルの次年度公表に向け検証を行います。また、就労移行支援(養成施設)における各教官の研究・研修を推進し、その成果を共有するとともに冊子等により盲学校等に対して情報提供を行います。
   
(2) サービスの向上
   第三者評価の実施
     良質なサービス提供を推進するために第三者評価を実施します。
   高次脳機能障害者に係る訓練の充実
     高次脳機能障害者に対してグループ訓練と個別訓練を効果的に組み合わせたプログラムを試行し、その訓練の技法及び効果を検証します。
   就労移行支援(養成施設)における教育効果の向上のための取組み
     カリキュラムの充実(5センター共通の新カリキュラムの策定)
     「教える」体制の改善(分かりやすい授業の推進、実技指導マニュアルの作成、 ICTを利用した教育の推進、DAISY教材作成の環境整備と利用者への普及)
     臨床研修コース(独自事業)の指導法の確立(試案の作成)
     進路指導の充実(就職・開業についての「就労ハンドブック(仮称)」の作成)
     臨床実習施術記録の電子化の推進(電子化に向け「基本計画」を策定)
     東洋療法部門の設置計画の作成(「東洋療法部門」の設置に向け「基本計画」を策定)
   
(3) 地域関係機関との連携強化
    就労支援に関する地域の関係機関との連携の実際を事例集としてまとめ全国の関係機関に情報を提供します。また、所沢市、狭山市の就労支援関係機関がセンターに求めるニーズの調査を行い、センターが地域で果たすべき役割について検討します。
   
(4) 日常生活に介護を要する利用者の受け入れ体制の整備
   職員研修
     すでに配置されている介護員及び平成21年10月に配置を予定している看護師に対して、頸髄損傷、頭部外傷や脳血管障害がある方、高次脳機能障害を併せ持つ方に対する介護・看護上の配慮点等の理解を促進するために、他の施設等での研修を行います。
   設備整備
     介護を要する方を受け入れた場合に必要となる居室・風呂・トイレ等の改修工事を行います(受入れは秋以降となる予定)。
   
(5) 機能訓練サービス提供体制の整備
   作業療法士、理学療法士について、頸髄損傷者や脳血管障害者に対する機能訓練を行うための研修を継続します。
   日常生活に介護を要する方のうち、受け入れ可能な方から順次受け入れていきます。また、日常生活に介護を要する方の訓練には、医療、看護、介護、機能訓練、職能訓練等の連携が特に不可欠なため、各評価を有機的に結びつけ、効果的な訓練計画が策定できる体制を整備するとともに、生活支援専門職等の資質の向上を図ります。
   
(6) 健康づくり対策の推進
   センター病院が中心となって進める利用者のメタボリック症候群等に係る運動処方・生活指導に関する指針作成の取組みへの参画や、センター病院と共同開催する健康教室について、利用者の健康増進の対策として取り組んでいきます。
   
モデル事業等の推進
(1) 「青年期発達障害者の地域生活移行への支援に関する事業」(モデル事業)
   更生訓練所で行ってきた就労支援のための評価技法や実際の支援方法等に関する報告書を取りまとめ、発達障害情報センター等を通じて発信します。
   
(2) 高次脳機能障害支援普及事業の推進
   高次脳機能障害者に対して実施している自立訓練(生活訓練)及び就労移行支援の事例を集積し、訓練プログラムや成果等の検証を行い、普及事業に反映します。
   
 以上が更生訓練所の重点事項です。職員一同より良いサービスの提供を目指して一丸となって取り組む所存ですので、皆様方のご理解、ご支援をよろしくお願いいたします。