〔病院情報〕
病院紹介シリーズ⑮ 診療部(神経内科)
 



 当センター病院診療部は13の診療科と研究検査科より構成され、医療的ニーズのある障害者の方を対象に診療、訓練、検査を行っています。
 神経内科におきましては、神経疾患および頭部外傷などによる後遺症に対するリハビリ訓練を行うことが業務の大半を占めています。神経疾患のほとんどは脳卒中(脳出血、脳梗塞、くも膜下出血など)の患者様であり、回復期入院リハビリを必要とされる方が主たる対象となります。しかしながら様々な身体的合併症が重度であった為、発症後2ヶ月以内という制約がある回復期リハビリの受け入れが他院において困難であった方でも、当科ではリハビリの適応があると判断できれば積極的に入院をお受け入れしています。医療政策上、回復期のリハビリを行う病院の数は増えつつありますが、様々な理由から制度上の規定に外れてしまう患者様の選択肢として当科の存在意義があるものと考えています。必然的に身体合併症が重症であり、容態的にも不安定な患者様の入院依頼が多く、近隣の急性期、専門病院との連携を必要に応じてとりながら診療を行っているのが現状です。
 当科の特色として挙げられる点は、高次脳機能障害のある患者様が多いことであり、これは当院が厚生労働省の政策として行われた高次脳機能障害支援モデル事業の拠点病院であった為、現在でも数多くの医療機関から患者様の紹介、情報提供等の御依頼があります。モデル事業が終了し、今後は普及事業へと移行しつつありますが、高次脳機能障害を合併された方がいかなる手段で治療、訓練を行いそして社会復帰を目指すかという困難な問題の具体的な解決に向けて取り組むことは、当科の診療活動において重要な課題であると考えています。実際の診療の流れとしては、担当医が外来において患者様の情報提供をいただき、可能であればご本人様に来院いただき診察を行い訓練適応を判断の上、入院もしくは外来通院での訓練開始という運びになります。高次脳機能障害の専門外来および入院リハビリは当院精神科にもご協力をいただく形で行っております。リハビリを実際に行う各訓練部および日常のケアを行う看護部とはケースカンファレンス(CC)という会議を毎週定期的に行い、患者様の情報共有、訓練経過および方向性の確認を行いつつ、最も効率的な形でリハビリが行われるよう各部所が努力しております。今後もより多くの患者様により良いリハビリを受けていただくことができるよう、ご指導ご鞭撻をいただければ幸いに存じます。