〔更生訓練所情報〕
鍼灸マッサージ師の道を拓くために
―第30回理療教育課程入所式―
理療教育・就労支援部 理療教育課

 平成21年4月9日、満開の桜も歓迎する中、センターの門をくぐった22名の方々が、新たに鍼灸マッサージ師の道を拓くための第一歩を歩み出されました。
 当日は、重要事項説明がなされ、利用契約を整えた後に入所式が本館大会議室で挙行されました。
 居並ぶ各人の表情には、これからの学習の日々に対する緊張と希望がうかがわれ、教官一同、改めて身が引き締まる思いでした。
 江藤更生訓練所長の挨拶では、「はり師」、「あん摩師」の呼称が古く律令制度に規定されており、長い歴史の中で伝統医療として受け継がれていること、そして現代において改めてその効果に衆目が注がれていることが述べられました。
 また、資格を得るためには、厳しい国家試験を経なければならず、センター生活を楽しんでいただくとともに、しっかりとした自己健康管理が必要であると続けられました。
 さらに、理療教育課による情報技術を導入した学習環境づくりについて紹介され、積極的に日々の学習に取り組んでいただくことを念願することばで結ばれました。
(写真)第30回理療教育課程入所式
 昨年度実施された、第17回あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師試験の結果は、卒業生ならびに当センターにとって、必ずしも満足できるものではありませんでした。パーセンテージだけで推し量れない面もありますが、この資格を取得する道のりの険しさを改めて認識させられました。新入所の方々には、これからの学習に際しての心構えを作る一助となるでしょう。
 最後に幹部職員の紹介がなされ、式を終えました。
 当理療教育課程は3つの分野からカリキュラムが組まれています。人文科学概論や自然科学概論、保健体育などの基礎分野、解剖学や生理学など専門基礎分野、経絡経穴概論や東洋医学臨床論などの専門分野です。また、専門分野には、あん摩、マッサージ、指圧、鍼、灸の各実技科目と臨床実習も含まれます。専門課程、高等課程とも所定の単位を取得して国家試験受験資格を得ることとなります。
 いわゆる座学のほか、模型観察や実技、実習など、様々な教育内容を履修していただく中で、いかに教育効果を高めていけるか。質の高い施術を提供できる臨床家を養成し、社会に送り出すためには、たゆまぬ教育力向上の努力が欠かせません。
 理療教育課程は、障害者自立支援法の下、「就労移行支援(養成施設)」に位置づけられています。厳しい雇用状況の中、満足のいく就職を勝ちとるためには、合格で良しとするのではなく、施術力やコミュニケーション力を高める取組みが重要となります。
 中途視覚障害者の就労の中心を為すのは、現在においてもあん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師です。自立訓練、理療教育から、就労へと続く視覚障害リハビリテーションに連綿と携わってきた自信と誇りを持って、新入所の皆さんと共に学ぶ所存です。
 3年、5年という月日は、光陰のごとしです。理療師として巣立たれる日を目標に、皆さんの学業生活の充実をサポートしていきます。志を固く持って、道を拓いていきましょう。