〔野鳥シリーズ69〕
オオバン
元理療教育部長 見原 捷三



オオバン(大鷭)
 オオバンは、全長が約39cmでクイナ科の中では最も大きい鳥です。雌雄とも同色をしており体は黒く、翼は暗灰色、嘴と嘴から顔に伸びた小判型の顔面は白色を帯びています。
 日本では、主に本州中部以北で繁殖しますが、寒冷期になると北地のものは南に移動します。繁殖地は、水草の多い湖沼や池に生息しアシ、ガマ、マコモの中を棲家としていますが、時には広い水面にも出てきて潜水もします。
 餌は、主に水草の葉や茎ですが、昆虫及び貝なども食べます。繁殖期は4月〜9月でこの間は、テリトリーを持ち浅瀬の水上の草の中に、枯葉や枯茎等を積み上げて皿状の巣を作り6個〜10個の卵を産み雌雄で抱卵し約3週間で孵化します。
 鳴き声は、水面を泳ぎながら「クエンー、クエンー」或いは「キョキョーン、キョキョキョ」と高くて良く響く声で鳴きます。
  オオバンの鳥名は、ラテン語から来ていますが、この他、単に「バン」とも呼び、これより小形のバンを小鷭とも呼びます。また、地方によっては、「クロドリ」などの方言で呼んでいる所もあります。


(写真)オオバン