〔更生訓練所情報〕
野外訓練を終えて(就労移行支援)
総合相談支援部総合支援課  会田 孝行


 7月15日(水曜日)〜16日(木曜日)、東京YMCA山中湖センターにて、就労移行支援の利用者を対象に野外訓練を実施しました。この野外訓練は、「日頃の生活・訓練場面とは異なる自然環境における野外活動を通して、利用者の自主性と協調性を養い、心身の健康の増進やリフレッシュを図る」ことを目的とし、利用者33名、職員25名の計58名が参加しました。
 東京YMCA山中湖センターは、山中湖のほとりにあり、目の前が富士山と、豊かな自然に囲まれたキャンプ場です。この時期に心配なのは雨ですが、幸いにも天気に恵まれ、無事予定通りに進めることができました。
 1日目の夕食は自炊です。メニューはカレー、サラダ、フルーツですが、これは事前準備の際に、食事班が検討を重ねた上で決定しました。当日は、グループごとに分かれて調理を行いましたが、見事な包丁さばきを見せていた利用者に周囲は驚き、本人は実に得意気な様子でした。このように野外訓練では、普段の訓練や生活では見ることができない利用者の一面を見ることができました。
 皆で協力して食事を作ることは、野外訓練の楽しみの一つ。肝心のカレーの味の受け止め方は人それぞれでしたが、実施後のアンケートで「いつもと違う場所で、皆と一緒に作り、食べたことで満足」と記載された人がいるとおりに、皆で協力して作ったものを一緒に食べたことは、多くの人が良い思い出になったことと思います。
 夕食後はキャンプファィヤー。グループごとに分かれて、ジェスチャーや○×クイズを行いました。この野外訓練には肢体不自由、聴覚障害、高次脳機能障害などさまざまな障害のある方が参加していますので、キャンプファイヤー係は、準備の段階からいかに皆にわかりやすく、楽しめるようになるか議論を重ね、パワーポイントを用いるなどの工夫をしました。このような準備が功を奏して、キャンプファィヤーは随所で盛り上がりをみせ、特にジェスチャーでは皆のユーモアあふれる身振りが大盛況となりました。
 キャンプファイヤー終了後、薪の残り火を囲んで、職員、利用者が談笑していましたが、普段とは違ったシチュエーションの中で職員と利用者が談話を楽しむことができるのも1泊の野外訓練だからこそ。慌しい日常から離れて、このような時間を共有することで、利用者の皆さんがリフレッシュを図ることができたのではないでしょうか。
 2日目のレクリエーションは、フリスビーとクイズ、それが終わった後は山中湖でボートです。フリスビーはチームに分かれ、的にいれた得点で勝敗を争いました。的は傘なので大きく見えますが、見るのとやるのでは大違い、なかなか的に入らず悪戦苦闘する中、見事に的に入れることができた時は、皆で拍手するなどチームの枠を超えて楽しんでいました。
 「ボート初体験だったのでめちゃめちゃ楽しかった、また乗りたいな」とアンケートで記載した方がおりました。ボートに乗る機会がなかなかない方にとって、富士山を目前としたボート体験は、貴重な経験になったことでしょう。
 終了後のアンケートでは、全ての項目で「満足」と返答した方がたくさんいます。こうした結果を出すことができたのも、利用者、職員が準備の段階から協力して進めることができた結果の賜物だと思います。ご協力いただいた職員の皆様、ありがとうございました。

(写真1)野外訓練の様子1 就労移行支援   (写真2)野外訓練の様子2 就労移行支援
     
(写真3)野外訓練の様子3 就労移行支援   (写真4)野外訓練の様子4 就労移行支援


平成21年度 就労移行支援野外訓練実施後アンケート結果

単位:人
1.回答数
利用者 29
職員 21

2.日程
  利用者 職員 合計
ちょうど良い 18 20 38
長い 2 1 3
短い 9 0 9
29 21 50

3.食事はどうだったか?
  利用者 職員 合計
満足 19 10 29
どちらともいえない 8 8 16
不満足 2 3 5
29 21 50

4.キャンプファイヤー
  利用者 職員 合計
満足 20 14 34
どちらともいえない 9 5 14
不満足 0 1 1
29 20 49
  1名無回答

5.2日目午前中のレクリエーションはどうだったか?
  利用者 職員 合計
満足 16 14 30
どちらともいえない 12 6 18
不満足 1 1 2
29 21 50

6.キャンプに参加して良かったか?
  利用者 職員 合計
満足 26 17 43
どちらともいえない 2 3 5
不満足 1 0 1
29 20 49
  1名無回答