〔野鳥シリーズ71〕
リハセンターに飛来する野鳥を友に
元理療教育部長 見原 捷三



マナズル(真那鶴)
 2009年1月号に長寿でお目出度い鳥のタンチョウズルを掲載しましたので、今回も 同じツルの仲間のマナズルを掲載します。
 マナズルは、全長が約120cmで雌雄同色をしています。体は暗青灰色をしており、胸及び腹は灰色がより濃くて、目の周りが赤い大形のツル類です。
 繁殖地は、シベリア東部のアムール川流域ですが、越冬地は中国の長江下流地域、朝鮮半島それに、日本では鹿児島県の出水市周辺です。
 我が国は、出水市周辺を1952年に「ツル及びその飛来地」として、天然記念物に指定しました。現在このマナズルは、出水市周辺でしか観察出来ませんが、かつては日本全国に飛来していました。
 第二次世界大戦後には、数10羽までに減少しましたが、現在は数千羽までに回復しています。
 越冬地では、番と幼鳥からなる家族群を単位とした群れで生活し、水田や湿地に生息しています。
 この写真は出水市で撮ったものですが、このように、番は越冬地でも求愛のディスプレーをして、夫婦の絆を高める行動が良く見られます。
 鳴き声は、夜明けとともに一斉に鳴き立て「コロロ、コロロー」と鳴き、ディスプレーの時には、「ファオー、ファオー、キュルルルー」と大声で鳴き交わします。
 ちなみに、マナズルは神奈川県真鶴岬の「真鶴」とも呼びます。



(写真)マナズル(真那鶴)