〔学院情報〕
平成21年度学院卒業式
学院事務室


 去る3月9日(火)、当センター学院講堂において、平成21年度学院卒業式を開催しました。式は厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部企画課施設管理室 三尾谷室長補佐を始め、多数のご来賓や当センターの幹部職員のご参列をいただいて、おごそかな雰囲気の中、始まりました。
 まず、岩谷総長より卒業生57名の一人一人に対し卒業証書が授与されました。卒業生達は自分の名前が呼ばれると緊張の面持ちで壇上に上がり、卒業証書を受け取っていました。その表情からは、2年間あるいは3年間の過程を無事終えたことに対する誇らしさや喜びがうかがえました。
 卒業証書授与のあと、中島学院長の式辞がありました。式辞の中で学院長は、「入学の時に皆さん方一人一人に面接をしている。皆さんに共通していたのは、リハビリテーションの道に進むという明確な意思と勇気をもっていた、ということであり、そのような皆さんを称えたい。皆さんがこれから乗る船はひとりぼっちで、舵をきる判断も自分でしなければならない。これからの人生で出会うであろう重大な選択の機会に、正しい判断が出来るよう常日頃から将来をよく見つめていてほしい。皆さんは限りのない大きな未来をもっている。誇るに足る人生を送ってほしい。皆さんには一歩を踏み出す勇気の芽生えが見てとれる。皆さんを『勇気をもった人』として送り出したい。」と述べられました。
 中島学院長の式辞のあと、三尾谷室長補佐が厚生労働大臣の祝辞を代読されました。祝辞では、「既に卒業された多くの諸先輩達に続き、地域社会で信頼される専門職として、常に支援を必要とされる方の目線に立って一層の研鑽を重ねられ、ご活躍されることを期待しております」とはなむけの言葉が述べられました。
 その後、岩谷総長から祝辞がありました。総長は祝辞の中で、「志を同じくする先輩として皆さんの巣立ちを心から歓迎します。」と述べられました。そして、「学院で学んだ知識と技能をもとに、日々の仕事を通して専門職としての力をつけていかなければならない。専門分野はもちろんのこと、できる限り専門外のことや社会のことを学び、病気と機能については冷静に論理的に、病い、患いについては優しい気持ちで理解できるように努力してください。」と述べられました。
 引き続き、来賓紹介及び祝電披露が行われた後、リハビリテーション体育学科1年の熊谷俊介さんが、卒業生を送る言葉として「学院で共に学んだ多くの仲間がいることを忘れずに、障害のある方の社会復帰、日常生活の自立、心理面での安定がなされていくために、ここで培われた技術や知識をさらに磨きながら、全国各地で活躍されることを心より願っております。」と述べました。
 これを受けて、義肢装具学科2年の宮島美紀さんが卒業生を代表し、別れの言葉を述べました(文末に全文掲載)。
 最後に言語聴覚学科1年 中川弘子さんのピアノ伴奏により、全員で蛍の光を斉唱し、閉式のことばで式を終えました。途中からは雪が交じるあいにくの空模様でしたが、卒業生達のあでやかな振袖姿や袴姿のおかげで、おごそかな中にも華やかさが印象に残る卒業式でした。
 卒業式に引き続き、卒業生主催による謝恩会が学院6階の大研修室で行われました。謝恩会では、リハビリテーション体育学科の学生による華麗な踊りや勇壮な太鼓のアトラクションが披露されるなどして、一同和気あいあいの楽しいひとときを共有することができました。
 卒業生皆様方がそれぞれの進路において、今後、益々ご活躍されますよう祈念します。




別れのことば

 冬の寒さも和らぎ、春の日差しを感じる季節を迎えた今日、私たち卒業生57名は新たなる希望を胸に学院を卒業いたします。
 晴れてこの日を迎えることができましたのも、岩谷総長をはじめ、中島学院長、各学科の諸先生方、外部・内部の講師の先生方、当センターの職員の皆様、ならびに私たちが出会った数多くの方々の温かいご指導とご支援、ご配慮のお陰です。そして、本日はこのような盛大な卒業式を挙行していただき、ありがとうございます。卒業生一同、深く感謝いたしております。
 満開の桜のもと、期待と希望に旨を膨らませ、この会場で入学式を迎えた日が昨日のことのように思い出されます。それは全国各地から集まった、同じ志を持つ仲間たちと初めて出会ったときでした。
 はじめは専門的な知識もなく、ただ与えられたカリキュラムをこなすことで精いっぱいでした。学院の授業では数多くの理論や技術を学び、実習では様々な貴重な体験をさせていただきました。ときには授業についていけずに自信をなくしたり、目の前の課題に追われて余裕がなくなり、入学当初に描いていた夢や希望を忘れ変えてしまいそうになったこともありました。しかし、そのようなときは仲間同士励まし合い、先生方に暖かいご指導をいただいて、乗り越えることができました。
 また、球技大会や体育祭、交流会で他学科の学生と話をする機会がありました。学んでいる専門分野は異なりますが、皆、同じように大変な思いをして、ひたすら目標に向かって頑張っていることを知り、よりいっそう心強く感じました。このような恵まれた環境のなかで2年もしくは3年間学ぶことができて、本当に有難く思っております。
 明日から私たちは、それぞれの新しい道を歩み始めます。まだあまり信じられませんが、あと1ヶ月もしないうちに実際に臨床の場で活躍することになります。新しい生活に期待と希望に胸を膨らませている一方で、不安な気持ちもあります。しかし、そんなときはこの学院で学んだことを思い出し、学院の卒業生であることを誇りに、ひとつひとつ乗り越えていきたいと思います。まだ経験もなく、ゼロからのスタートですが、常に初心を忘れずに謙虚な気持ちで、日々取り組んでいきたいと思いますので、今後とも諸先生方や多くの皆様の、変わらぬご指導、ご鞭撻を賜りますようよろしくお願い申し上げます。
 在校生の皆さん、短い間でしたが、一緒に学生生活を送ることができて楽しかったです。この先大変なこともあるかと思いますが、支えてくださる先生や、同じ目標を持った仲間がいるということを忘れずに頑張って下さい。いつの日か同じ臨床の場で働く同士として、会える日を楽しみにしています。
 最後に、学院の益々のご発展と、本日ご臨席賜りました皆様のご多幸を心よりお祈り申し上げ、別れのことばとさせていただきます。


  平成22年3月9日
  卒業生代表
  義肢装具学科 宮島 美紀



(写真1)卒業証書の授与
卒業証書の授与

(写真2)卒業も飛び入り参加しての和太鼓演奏(謝恩会)
卒業も飛び入り参加しての和太鼓演奏(謝恩会)



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