〔巻頭言〕

「リハセンター春の花」

自立訓練部長 西村 茂



 今年の春も見事な桜が私達を楽しませてくれました。センター内で一番綺麗な花と言えば、どなたもが桜かハナミズキとお答えになると思います。残念ながら、もう終わってしまいましたが、正面出入り口の中から見る桜は壮観ですし、一番の見所は何と言っても旧スラロームコース(現在も車椅子スラロームのコースなのですが、多くの方は花見街道と思っているかも知れません)の桜アーチとアーチェリー場から眺める桜並木でしょう。一方、ハナミズキはセンター花として開所以来、植樹が続き理療教育利用者の卒業記念としても植樹されてきました。ハナミズキは桜を贈ったお礼にアメリカから送られたのが日本の起源だそうですので、とても関係が深い花同士がセンターのNo1、2を争っているのは嬉しいものです。
 さて、それ以外に皆さんの記憶にあるのは、野外訓練場の藤棚やサツキ位でしょうか。私も決して植物が好きなわけではないのですが、30年前に先輩から頼まれてスパティフィラムの植え替えを手伝ったことから若干興味を持った素人ですので、花の名前など間違っているかも知れませんが、私の勧めるセンター内に春から夏にかけて咲く花をご紹介します。
 まずお勧めは杏子の花、桜の時期よりも一足先に病院前の中庭で強いピンクの花を咲かせています。確か中国リハセンターへの協力のお返しにいただいた木で、来年を待たなければ見られませんが今は丁度オレンジの実が沢山色付いている頃です。
 正面玄関前の築山にも歴代総長が植樹された垂れ梅や垂れ桜が毎年見事に花を付けます。桜と言えば、最初に満開を迎えるのは自立支援局内の中庭にある山桜で、ソメイヨシノの後には西棟宿舎の前にあるウコン桜(風)が楽しめます。その後に八重桜と、合計すると一ヶ月は桜が楽しめますよ。
 5月にはサツキも綺麗ですが、航空公園駅からセンターに入ろうとすると目に付く紫の土手は必見、多分キランソウが群生しているのだと思います。
 早春から楽しむためには、学院前の作者の思いのこもったビオラです。4月中には、釣鐘水仙、スミレ、紫蘭、鈴蘭、十二単、芝桜、チューリップも可愛い花を咲かせています。
 これからの季節は、庭石昌、菖蒲、おだまきがお勧めです。見忘れてしまった方には、エンゼルトランペット、桔梗、芙蓉、蛍ぶくろ、ブルーサルビア、ダリア、ゼニバアオイなども一見の価値ありです。是非、どこで咲いているのか探してみて下さい。
 変わりどころでは、やはり自立支援局内の中庭にあるバナナの花です。これもタイのリハビリテーションセンターへ協力したお礼にいただいたものだったと思います。毎年花と実を付けるのですが、実が大きくならず、食するまでには至っていません。
 バラの種類も豊富で結構楽しめますし、カリフォルニアポピーに増殖も企画中です。秋には体育館横の銀杏も最後まで紅葉が楽しめます。
 最後のお勧めは、総長室から眺めるヒメシャラです。白い花を眼前に見ることができますが、東大通りの本館突き当たりからも見ることができますので、ご安心ください。
 仕事の合間に草木の30年もお見逃しなくご覧下さい。