〔学院情報〕
平成22年度学院オープンキャンパス開催される
学院事務室



 去る7月31日(土曜日)の午後1時から、学院養成研修棟及び義肢装具士養成棟において「オープンキャンパス」を開催しました。オープンキャンパスは、当学院の受験を希望される皆さんに、授業の内容紹介や在学生との対話を通して、学院についての理解を深めていただくためのイベントです。今年度は、昨年の参加者からのご意見をふまえ実施回数をこれまでの年1回から年2回に増やしての開催となりました。第1回目の今回は、参加者数は161名で、学院について知りたいという需要の大きさを感じました。
 参加された皆さんには、それぞれの学科が目指すリハビリテーション専門職の業務内容や当学院の雰囲気等を体験していただいたわけですが、今後の進路を検討する際にこの体験を役立てていただければ幸いです。
 以下、それぞれの学科が創意工夫した当日の様子をご報告いたします。


言語聴覚学科
 言語聴覚学科では75名の参加者を、4名の教官と学生でお迎えしました。
 4階フロアでは「公開授業」と「体験コーナー」、2年生教室と6階フロアでは学院生との交流コーナーが設けられました。一年生は「公開授業:高次脳機能障害」で明るく活発な受講風景を作り出していました。一方、二年生は揃いのTシャツに身を包み、「体験コーナー」や「交流コーナー」で参加者らと活発に交流を行いました。
 「体験コーナー」では、聴力検査を受けてみる“きこえはどれくらい”、音声の波形を調べる“発音を目で見てみよう”、発声が困難な方のための“意思伝達装置を試そう”、嚥下障害者用の“とろみ食を試してみよう”などのコーナーが設けられました。2年生はこれまでに学んだ知識と技術を遺憾なく発揮し、障害のメカニズムや検査・評価・装置などについて、分りやすく解説し、参加者の知的好奇心に応えていました。交流コーナーには言語聴覚学科で使用されているテキストや検査用具、カリキュラム表、学生の生活統計などの展示のほか、学生が自主製作した学科紹介DVDが上映されました。
 学科生の醸し出すホスピタリティー溢れる雰囲気に参加者が思わず楽しげに話し込む様子がそこここに見られ、また、6階では真剣に受験や学生生活、就職状況などについて相談する姿が見られました。言語聴覚士をこれから目指そうとする参加者と、少し夢に近づいている学生たちとの出会いはお互いに幸せなものであったに違いありません。
(写真)参加者と在校生の交流コーナー   (写真)「きこえはどれくらい」のコーナー
参加者と在校生の交流コーナー   「きこえはどれくらい」のコーナー


義肢装具学科
 義肢装具学科への参加者は58名で、高校生から社会人まで多くの方々に当学科の教育内容を知っていただくことができました。
 学院生活や卒業後の進路などについて説明した後、
 ① 装具製作のデモンストレーション
 ② 手や足の採型及び石膏モデルの製作
 ③ 模擬義足での歩行体験
 ④ 模擬義手の操作体験
 ⑤ 歩行中の足底圧力計測
といった授業に即した5つのコーナーを設け、自由に見学していただくオープン形式としました。特に、模擬義足・義手を体験するコーナーでは、参加者のほとんどが初めての体験で、“驚き”あり、“操作ミス”ありと大変盛り上がり、皆様に5つのコーナーすべてを見学・体験していただきました。
 また、在校生も積極的に交流をはかり、学院生活の雰囲気について熱心に質問する参加者に対し、丁寧に答えていました。義肢装具士の仕事に興味を持つ参加者にとって、当学科の教育内容と学院生活をより深く理解していただく絶好の場になったと思います。
(写真)参加者と在校生との交流   (写真)模擬義足の体験
参加者と在校生との交流   模擬義足の体験


視覚障害学科
 視覚障害学科では「見えなくてもできる!!を体験」してもらおうと、参加者にアイマスクをしてもらい、パソコンと調理、歩行の3種類の活動を行ってもらいました。
 パソコン体験では音声ソフトを利用して、ホームページの読み上げとワード文書の文字入力をしてもらいました。
 調理体験では、調味料の弁別や計量などの作業に、音声で確認できる便利な用具を使いながら、クッキーの成型までをしてもらいました。
 歩行では、ガイド役の在校生の腕を握って歩く手引き歩行と、白杖を利用して一人で歩く体験をしてもらいました。
 体験後、教室で在校生との交流会を行いました。入学試験の内容や講義のカリキュラム、寮生活、卒業後の就職先など、次々のぼる質問に在校生は丁寧に答えていました。なごやかで、楽しい雰囲気の中、在校生と心置きなく話ができた交流会は、参加者にとって学科を知ってもらうよい機会となったことと思います。
 他の学科にも興味のあった学生が途中から体験や交流会に加わり、参加者は8人。
 オープンキャンパスへの参加が、専門家になりたいという夢や希望へ近づく一歩に、そして、学院で勉強をしたいという意欲に、確実につながったことと思います。
(写真)アイマスクを装着した歩行体験   (写真)パソコン体験
アイマスクを装着した歩行体験   パソコン体験


手話通訳学科
 手話通訳学科では学科説明と質疑応答の後、参加者に2つの「体験授業」を体験してもらいました。まずは、入学した場合入学式の翌日から毎日受けることになる「ネイティブの先生が手話だけで手話を教える授業」。参加者の名前や服の色、そして数字を使って手話でのコミュニケーションを楽しみました。次に「シャドーイング(話を聞きながら、少し遅れてそのまま話す)」と「リテンション(一定量の話を聞き、その内容を自分の言葉で話す)」の通訳基礎トレーニング。人の話を聞くこと、それを別の人に伝えること、さらにそれらを同時に行うことの難しさを感じたことでしょう。体験授業終了後には、在校生作成の「パネル展示」とともに、在校生と参加者が自由に交流する時間を設けました。
 体験授業では入学後の授業の楽しさと厳しさを味わってもらえたと思います。そして在校生の生の声は、入学を考える参加者にとって大いに参考になったでしょう。授業中も在校生との交流の際も楽しそうな笑い声が絶えませんでした。今回のオープンキャンパスが参加者の方々にとって手話という新しい世界への入口となることを期待しています。
(写真)参加者と在校生との交流   (写真)通訳基礎トレーニングの体験授業
参加者と在校生との交流   通訳基礎トレーニングの体験授業


リハビリテーション体育学科
 暑い中、3名の方にご来場いただきました。学科紹介ガイダンスでは、カリキュラム内容や進路について教官の説明に熱心に耳を傾けていました。そして、参加型プログラムの “障害者のスポーツ体験”では、①電動車いす・競技用車いす・ハンドサイクルの乗車体験 ②アイシェイド(アイマスク)着用でプレーするゴールボール、③車椅子バスケットボールのミニゲームなど多彩な内容で盛り上がり、在校生との交流も深めることができました。参加者からは「とても良い勉強になった」「見るのとやるのとでは大違い。疲れるけれど楽しかった」「学生スタッフが親切にしてくれた」などのご意見をいただき、ガイダンスだけでは分からない学科の魅力を知っていただくことができたと思います。これを機会に、リハビリテーション体育への関心が高まることを期待しています。
(写真)ゴールボールの投球練習   (写真)車椅子バスケットボールのゲーム
ゴールボールの投球練習   車椅子バスケットボールのゲーム