〔国際協力情報〕
研修員紹介
管理部企画課


 現在、中国の広西から医師の呉 新貴(ウ シンクィ)さんが財団法人武田科学振興財団の研修員として3月まで当センターに滞在しています。
 呉さんに自国で勤務する病院の紹介をしていただきました。


(写真)ウ シンクィ氏


 私は中国で神経学的リハビリテーションを専門とする医師として働いています。広州大学で伝統的中国医学を学び、1987年に医学の学位をとりました。1995年に広西医科大学で神経学の修士を取得し、現在は広西医科大学付属第1病院の中国医学と西洋医学の統合部門の神経学的リハビリテーション部で働いています。広西医科大学は広西壮族自治区(中国南部)の首都である南寧市にあり、省レベルの5つの主要医大の一つで、1934年に南寧市に設立されました。後に桂林に移転し、計7回の移転と3回の名称変更を経験するなど、苦難の道のりを歩みました。そして1996年に広西医科大学という名称になりました。
 大学は71万平方メートルの敷地(国立障害者リハビリテーションセンターの3倍強の広さです)に運動場や建物があります。大学は最新のマルチメディアが設備された教室、実験室、臨床実習室などがあり、教育省と広西省の共同時実験室もあります。また19の学校、3つの教育部門、10の付属病院を有しています。広西医科大学付属第1病院は中国のベスト100に入る病院で、腫瘍専門病院と口腔専門病院は広西省の最大の3次レベル病院です。中国伝統医学を推進するモデル病院でもあります。スタッフは2200人以上おり、そのうち189人が教授、328人が准教授です。
 ベット数は2500床で、年間外来患者数は170万人、年間入院患者数は5万人です。診療部門と非診療部門をあわせると72部門になります。
 主な診療科は、小児科、腫瘍科、消化器・甲状腺・乳腺外科、肝臓胆嚢科、血管外科、臓器移植科、切断科、耳鼻咽喉科、内分泌科、胸部外科、心臓科、マイクロサージェリー、産婦人科、整形外科、呼吸器科、血液科、神経科、漢方(鍼を含む)、リハビリテーション、再生医学等々です。PET-CT 、3T-MRI、64スライドCT、EMG等の最新機器を揃え、様々な疾患の診断、治療にあたっています。
 私はこの中の神経学的リハビリテーション部門で勤務しています。この部門では伝統的中国医学と西洋医学を融合しており、脳卒中、頭部外傷、脊髄損傷、その他の疾患に対して、中国の薬草、鍼灸、マッサージを西洋医学と併せて治療に用いています。私はここで23年以上勤務しており、脳血管の疾患と脊髄の疾患の治療における鍼のメカニズムを勉強しています。
 現在、国立障害者リハビリテーションセンターで研修中ですが、神経学的リハビリテーションに関する様々な知識を得て、帰国後に役立てたいと考えています。