〔学院情報〕
平成22年度学院卒業式
学院事務室


 去る3月8日(火曜日)、当センター学院講堂において、平成22年度学院卒業式を挙行しました。式は厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部企画課施設管理室 小河室長をはじめとして多数のご来賓や当センターの幹部職員のご参列をいただき、おごそかな雰囲気の中、始まりました。
 まず、岩谷総長より卒業生51名に対し卒業証書が授与されました。卒業生達は自分の名前が呼ばれると緊張の面持ちで壇上に上がり、卒業証書を受け取っていました。総長は卒業証書を手渡した後、ひとりひとりの卒業生と握手をされました。思わぬハプニングに卒業生は驚いていたようですが、総長のはなむけの気持ちが伝わった様子でした。卒業生達の表情からは、2年間あるいは3年間の課程を無事に終えたことに対する誇らしさや喜びがうかがえました。
 卒業証書授与のあと、中島学院長の式辞がありました。式辞の中で学院長は、中国の古典『書経』にある「正徳利用厚生惟和」を引用され、「厚生労働省の"厚生"は文字どおり"民の生を厚くすること"すなわち"国民生活を豊かにすること"を意味しています。諸君は常に人々の生活を豊かにすることを考えてください。そうすることで諸君の職業人生が豊かになるでしょう。学院はいつでも皆さんを見守っています」と述べられました。
 中島学院長の式辞のあと、小河室長が厚生労働大臣の祝辞を代読されました。祝辞では、「当センター学院の卒業生としての誇りと自信を持ち、これまで培ってこられた知識と技能を十分に発揮してください」とはなむけの言葉が述べられました。
 その後、岩谷総長から祝辞がありました。総長は祝辞の中で、「志を同じくする先輩として皆さんの巣立ちを心から歓迎します」と述べられました。そして、「病気や障害は能力格差を生み出す大きな原因となるものです。この格差は致し方ないものだが、支援する仕組みを充実させることにより共に生きる社会を築くことができるでしょう。皆さんは専門職として医療や福祉の世界に閉じこもることなく、患者さん・利用者さんの歩む道筋全体を見通した支援をしてください」と述べられました。
 引き続き、来賓紹介及び祝電披露が行われた後、言語聴覚学科1年の鈴木香菜美さんが、卒業生を送る言葉として「リハビリテーションの各専門分野で活躍していく力を身につけられた先輩達を目標にして、一層勉学に励んでいきたいと思います。卒業生の皆さんが全国各地で活躍されることを願っております。」と述べました。
 これを受けて、視覚障害学科2年の木下 亮さんが卒業生を代表し、別れの言葉を述べました(文末に全文掲載)。
 最後に言語聴覚学科1年 及川 縁さんのピアノ伴奏により、全員で蛍の光を斉唱し、閉式のことばで式を終えました。卒業生達のあでやかな振袖姿や袴姿のおかげで、おごそかな中にも華やかさが印象に残る卒業式でした。
 卒業式に引き続き、卒業生主催による謝恩会が学院6階の大研修室で行われました。謝恩会では、リハビリテーション体育学科の学生による華麗な踊りや勇壮な太鼓のアトラクションが披露されるなどして、一同和気あいあいの楽しいひとときを共有することができました。
 卒業生皆様方がそれぞれの進路において、今後、益々ご活躍されますよう祈念します。



別れのことば

 冬の寒さもゆるみ、花の便りが聞かれる季節を迎えました。今日、私たち卒業生51名は新たなる希望を胸に学院を卒業いたします。
 晴れてこの日を迎えることができましたのも、岩谷総長をはじめ、中島学院長、各学科の諸先生方、外部・内部の講師の先生方、当センターの職員の皆様、ならびに私たちが出会った数多くの方々の温かいご指導とご支援、ご配慮のお陰です。そして、本日はこのような盛大な卒業式を挙行していただき、ありがとうございます。卒業生一同、深く感謝いたしております。
 満開の桜のもと、希望に胸を膨らませ、この会場で入学式を迎えた日が昨日のことのように思い出されます。それは全国各地から集まった、同じ志を持つ仲間たちと初めて出会った時でした。
 学院の授業では数多くの専門的な理論や技術を学び、実習では様々な貴重な体験をさせて頂きました。時には目の前の課題に追われて余裕がなくなり、入学当初に描いていた夢や希望を忘れかけてしまいそうになったこともありました。しかし、そのような時は、仲間同士励まし合い、先生方に温かいご指導をいただいて、乗り越えることができました。
 また、球技大会や体育祭、交流会で他学科の学生と話をする機会がありました。学んでいる専門分野は異なりますが、皆、同じように目標に向かって頑張っていることを知り、より一層心強く感じました。このような恵まれた環境の中で2年もしくは3年間学ぶことができ、本当にありがたく思っております。
 明日から私たちは、それぞれの新しい道を歩み始めます。まだあまり信じられませんが、あと1カ月もしないうちに実際の現場へと足を踏み出します。新しい生活への期待と希望に胸を膨らませている一方で、不安な気持ちもあります。壁にぶつかることもたくさんあるかと思います。しかし、そんなときは、この学院で学んだことを活かし、学院の卒業生であることを誇りに、ひとつひとつ乗り越えていきたいと思います。常に初心を忘れず、謙虚な気持ちで日々取り組んでいきたいと思いますので、今後とも諸先生方や多くの皆様の、変わらぬご指導、ご鞭撻を賜りますようよろしくお願い申し上げます。
 在校生の皆さん、短い間でしたが、一緒に学生生活を送ることができ、とても楽しかったです。この先、大変なこともたくさんあるかと思います。その時は、支えて下さる先生方や、同じ目標を持った仲間がいるということを忘れずに頑張って下さい。いつの日か同じ現場で働く同志として、会える日を楽しみにしています。
 最後に、学院の益々のご発展と、本日ご臨席賜りました皆様のご多幸を心よりお祈り申し上げ、別れの言葉とさせて頂きます。

平成23年3月8日 卒業生代表視覚障害学科 木下 亮



(写真)総長より卒業証書授与の様子   (写真)卒業生代の別れの言葉を述べる場面