〔病院情報〕
人間ドックのすすめ
健康増進センター


 医療は「予防医学」と「治療医学」に大きく分けることができます。「予防医学」の基本は病気や怪我をさけるように日常生活のうえで健康に留意することです。しかしそれだけでは十分とはいえません。糖尿病や高血圧、高脂血症などの生活習慣病は、かなり進行しないと自覚症状がありません。がんも何年もかかって進行するケースが多いのです。自覚症状が現れた段階では治療が極めて困難なことが時におこります。しかし、これらの病気も早期にその芽をみつけて治療を始めれば、治癒させることもできます。

 会社に勤めている人は労働安全衛生法にもとづいた定期健康診断が義務付けられています。主婦や自営業の方には自治体等保険者が主催する健康診査を受けることができます。これらの健診は内容が限られていますので、体全体をチェックするには限界があります。
 健診で異常が無い人も人間ドックで異常が見つかることがあります。
 人間ドックは詳しい検査を多項目にわたりおこない、多くの病気の早期発見に効果があります。しかしながら日本の現状は40歳以上の人口7228万人に対して人間ドック受診者数の全国統計が300万人から一向に上昇しないようです。要人間ドック受診者の4.1パーセントに留まっています。そのためにより多くのひとが受診できるようにさまざまな啓発がなされています。

 しかし一方では障害者を受け入れてくれる健診施設は十分とはいえません。車椅子というだけで家族の付き添いを求められたりすることもあります。当院の人間ドックは、他の健診施設では障害があるがゆえに断られた方、健常者と同じペースでは落ち着いて受診しにくい方々に納得のいく健診をお受けいただくよう実施されてきました。医師の異動にともない一時期休診となっていましたが、今年1月、健康増進センターに内科医師1名と保健師1名が増員となり、4月から毎週水曜日に実施しています。再開のための機器の準備や点検、各科との打ち合わせを重ね、多くのスタッフの協力のもと無事に軌道にのったところです。
 人間ドックの内容は日本人間ドック学会の認定施設基準を満たしたものにリニューアルし実施しています(別表)。今後はさらに、他施設の長所を学び、取り入れると同時に、障害者に頻度の高い健康上の問題点などを評価できるようなドックをおこなえるように研鑽をつみ発展していくよう努力していきます。
 障害がある方でこれまでまだ人間ドックを経験したことがない方には是非一度お受けいただきたいものです。機会がありましたら「人間ドックのすすめ」を御願いします。

写真は人間ドック結果表
 
検査メニューの説明図 身体測定 血圧 心電図 胸腹部X線 肺機能検査 上部消化管内視鏡 腹部超音波 眼科診察 聴力 血液検査 尿検査 便 内科診察 オプション検査:前立腺腫瘍マーカー等の検査がある
人間ドック結果表
 
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