〔研究所情報〕
第38回国際福祉機器展(H.C.R.2011)出展レポート
研究所 障害福祉研究部 筒井 澄栄


 今年は10月5日(水)から7日(金)の3日間をかけて国際福祉機器展が開催されました。場所は例年と同じく東京ビッグサイトで、東展示棟の6ホール全てを使用して大々的に行われました。国内453社、海外12か国・1地域57社の合計510社の参加により、2万点にものぼる福祉機器が展示されました。10月5日(水) 38,912人、10月6日(木) 41,729人 、10月7日(金) 37,513人、3日間通しての来場者は118,154名となりました。初日の冷たい雨の降るあいにくの天候が影響したためか3日間の入場者数の累計は昨年の119,451名を多少下回る118,154名でした。今回の展示会では3月の東日本大震災の被災地応援コーナーや福祉施設の利用者避難や、被災した施設のなかでの利用者のケアなど災害に対しどのような備えが必要かを考えるための福祉施設向けや被災地で役立つ福祉の防災・避難用品コーナーが設けられていました。

 17回目の出展となる今回は「技術と人をつなぐ」をテーマに福祉機器・リハビリテーションの領域で研究所の各部署の活動および研究成果を紹介いたしました。

義肢装具技術研究部
  義手・義足を使いこなす利用者の日常生活の紹介と筋電義手の体験
福祉機器開発部
  高齢者、物忘れのある人に対する情報支援ロボットのデモンストレーション
障害者の社会参加を支援する遠隔教育による「就労トレーニング用バーチャルオフィス」のデモンストレーション
中途障害者向け6点入力簡易メモ装置のデモンストレーション
脳機能系障害研究部
  脳からの信号により機械を操作するブレインーマシン・インターフェイスを用いた生活環境制御システム(BMI-ECS)の紹介
運動機能系障害研究部
  「動きの科学」に基づいたリハビリテーション方法として先端リハビリ機器を用いた歩行訓練の紹介
障害工学研究部
  肢体不自由などで衣生活に不便を感じている方々も、おしゃれを楽しめる衣服環境の促進を目指した取り組みの紹介
自立支援機器及び風呂・トイレのリフォームなどの体験・評価などが可能な、情報交流・発信を目的とする障害者ライフモデルルームの概要
感覚機能系障害研究部
  盲ろう者の情報獲得支援のための触手話(指文字)ロボットの展示とデモンストレーション
障害福祉研究部
  平成22〜23年度に実施している、盲ろう者宿泊型生活訓練等モデル事業の研究成果の紹介
発達障害情報▪支援センター
  発達障害に関する国内外の取り組み・研究などの情報と発達障害情報センターの活動を発信している「発達障害情報センターサイト」の紹介


 また、上記とは別に6日午後には「車いすの処方時や製作時に役立つ強度の知識」と題してワークショップを行い、車いすの強度に関する基礎知識と追加加工による強度への影響についてのプレゼンテーションも行いました。

 このように研究活動の成果を国際的な展示会で紹介することは、今後外部機関とどのように共同研究を進めていくかなど、障害・福祉・リハビリの分野において、国立障害者リハビリテーションセンターが「技術と人」に留まらず、「技術と技術」、「人と人」をつなぐ役割を担っていくことを発信する機会と考えられます。

 最後になりましたが、今回の出展に際して、実行委員の方々をはじめ展示をしていただいた方々や説明員として御協力頂いた方々の他、研究所事務や本館の方々など多くの方々の御協力を頂きましたことを厚く感謝いたします。

写真 ブース概要 ブース全体 写真 ブース概要 ブース内部
ブース概要
 
写真 模擬電動義手の外観 写真 高齢者・物忘れのある人に対する情報支援ロボット
模擬電動義手の外観 高齢者・物忘れのある人に対する情報支援ロボット
 
写真 ワークショップの様子
ワークショップ