〔トピックス〕
平成24年度 障害者ヘルスプロモーション事業に関する
研修会開催報告
健康増進センター


 平成24年度障害者ヘルスプロモーション事業に関する研修会が、9月26日〜9月28日の3日間開催されましたので、報告を致します。
 この研修会は、健康増進センターが主催した研修事業で、障害者のヘルスプロモーション事業に従事する専門家(医師および栄養士・保健師・指導者等)の研修を行い、その普及に必要な専門知識および技術を習得させ、障害者の健康増進を推進することを目的に開催されました。
 現在、障害者のヘルスプロモーションを取り巻く現状は、当センターで行った生活習慣病や二次障害に関するアンケート調査では、多くの方が生活習慣病や二次障害でした。その中でも、高血圧、肥満、糖尿病が多くを占めており、運動と栄養・生活のアンバランスが明らかとなりました。これらのことから、障害特性を考慮しても多くの方が、生活習慣病のリスクを抱え日常生活を送っていることが解りました。しかし、それらの対策については、まだまだ進められていないのが現状です。それらの様々な調査や研究の結果および健康増進・スポーツ外来の現状を通して、明らかになった課題を全国のヘルスプロモーションに関る専門職の皆様と共有し、更なるレベルアップを図るべく、カリキュラムを構成しています。
 その研修内容は、4つのカリキュラムから構成し、①【基礎カリキュラム】として、「障害者の現状と課題」、「肢体不自由者の特性」、「内科から見た運動について」、②【健康カリキュラム】として、「障害者のヘルスプロモーション」、「健康づくりプログラム概論(保健指導・栄養教育・運動指導)」、③【スポーツカリキュラム】として、「障害者スポーツの現状と特性(競技スポーツ)」、④【実技カリキュラム】として、「健康づくりプログラムの実践」、「車いす運動」、「立位・感覚制限運動」などを行いました。講師陣は、社会福祉行政、栄養教育、障害者の運動生理学、運動導入指導、視力障害の運動指導、障害者スポーツなど、様々な分野の専門家に加えて、当センター医師や保健師など障害者ヘルスプロモーションを支える専門家の先生方に、講義や実技をお願い致しました。
 一方、受講者の状況は、看護師、保健師、栄養士、理学療法士、スポーツ指導員、体育指導員など、福祉施設や医療関係施設等で障害者のヘルスプロモーションに関る皆様方に、ご参加いただきました。
 実際の研修会では、盛りだくさんの研修内容から、時間的に窮屈な計画となりましたが、座学での講義(写真1)や新本館講堂での実技(写真2)など、受講者の皆様の熱心な取り組みに支えられました。また、1日目の締めくくりは、イブニングセミナーを開催し、当センターリハ体育学科教官の精神障害者とスポーツの講義を進めながら、リラックスした中にも、緊張感のある時間を皆様方と共有いたしました。最終日は、障害者スポーツについて、ロンドンパラリンピックをはじめとする最新の情報を講師より頂きました。その後、フリートーキングでは、受講者の皆様方が、障害者のヘルスプロモーションの現場で取り組まれている内容やその方法のご紹介、指導や介入の実施に際しての問題点などについて活発な意見交換を頂き、当センターを含め、障害者のヘルスプロモーションに関する情報交換や環境整備など多くの課題をいただきました。その後、健康増進センター長より、受講終了証明書を授与し、研修会の閉講と致しました。
 研修会を終え、講師の先生方や受講生の皆様方には、時間配分の改善、ケース検討会等の討議時間の設定など、多くのご要望をいただきました。皆様方に、頂いた課題を活かし、来年度も障害者ヘルスプロモーション研修会を開催いたしますので、今後とも、宜しくお願いいたします。

写真1:講義の様子1   写真1:講義の様子2
写真1(講義の様子)

写真2−1:車いす運動の導入1   写真2−1:車いす運動の導入2
写真2−1(車いす運動の導入)

写真2−2:視力障害者の運動指導1   写真2−2:視力障害者の運動指導2
写真2−2(視力障害者の運動指導)

平成25年3月2日(土)に“障害者の健康増進とスポーツ”をテーマにした国際セミナーを当センター講堂にて開催します。詳細につきましては、メールアドレスwhoclbc@rehab.go.jpにお問い合わせ下さい。