〔特集〕
学院における養成・研修の取組と卒業生・修了生の活躍

時代の変化や社会の要請に合わせた研修事業
 学院においては、センター内の各部門の協力を得て行う研修、厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部とともに企画・立案して行う行政的色彩の濃い研修、リハビリテーション分野及び発達障害分野の各学会などの協力・支援を得て行う研修など、様々な研修会を実施しております。
 今回、それらの研修の中から、いくつか、ご紹介させていただきたいと思います。
盲ろう者向け通訳・介助員養成担当者等研修会
 この研修は、障害者総合支援法の施行に基づき、専門性の高い意思疎通支援を行う者の養成及び派遣を行う事業が都道府県・指定都市・中核市において必須事業化されたことを受け、国の考え方を含め、研修カリキュラムの考え方を理解させることを目的として実施するものです。
 とりわけ、「盲ろう者への意思疎通」の支援について、全国的に通訳・介助員の登録者数が少ない現状であり、また通訳レベルももっとスキルアップを図る必要性があることは、盲ろう者に対する実態報告書においても明らかになっています。
 このような全国的にニーズがあるにも関わらず、人材が不足しているといったような研修については、今後とも、積極的に行っていきたいと考えています。
 なお、この研修は、東京都盲ろう者支援センターからの協力を得て企画・立案、実施しています。
リハビリテーション看護研修会
 この研修は、病院等でリハビリテーション看護に従事する看護師や、福祉施設等で知的障害・発達障害のある児者等の看護に従事する看護師を対象として実施しています。
 障害当事者・家族からの体験談や地域連携等の実践しているエキスパートによる講義、演習等を通じて支援方法、地域連携手法等を学ぶといった内容の研修会です。
 単なる知識や技術の習得だけでなく、“考え方”を共有し、時代の変化や社会の要請に合わせた内容となるよう心がけています。特に、今、各地で、地域包括ケアシステムの確立が求められている中、患者や利用者の視点、病院や施設内で完結しないお一人おひとりの「生活を支える」といった視点を持ち、そのために、地域生活、在宅生活をどう支援していくか、受講生の方々に考えていただけるような研修にしていきたいと考えております。
 なお、この研修は、当センターの病院など身体障害を専門にしてきたセクションと、自立支援局秩父学園など発達支援を専門にしてきたセクションとが、それぞれの専門性を活かしながらも、共通の基盤に立って企画・立案したものであり、研修会の中でそれぞれの看護における支援方法の考え方を全国に広く伝達したい、という意図をもって実施しているものです。

 学院におきましては、今後とも、時代の変化や社会の要請に合わせ、現行研修事業の見直しや新規研修事業の創設、研修内容の充実等に努めていく所存です。