〔特集〕
自立支援局における
新型コロナウイルス感染予防対策への取組
総合相談支援部 総合相談課長 藤田 ゆかり

 自立支援局では、新型コロナウイルス感染症対策を徹底し、利用者の皆さんにもご協力いただきながら安心・安全な訓練・生活環境の確保に努めてまいりました。ここに、取組経過(概略)をご紹介します。

3月9日 自立支援局における新型コロナウイルス感染拡大防止対策策定
4月1日 新型コロナウイルス感染拡大防止対策の見直し
4月7日 緊急事態宣言発出(5月6日まで)
     対象:東京、埼玉、千葉、神奈川、大阪、兵庫、福岡の7都府県
4月8日 通所利用者の訓練を休止(入寮者は訓練継続)
     4月8日から5月8日までの間の通所利用者の訓練を休止し、自宅学習課題の提供や電話による状況確認等を実施した。
4月16日 緊急事態宣言の対象域が全都道府県に拡大
5月4日 緊急事態宣言期間延長(5月31日まで)
5月8日 緊急事態宣言の期間延長に伴う自立支援局の対応検討
     通所利用者の訓練休止期間延長
     養成施設は、5月11日に入所式と始業式を実施し訓練を開始することを決定。必要に応じて遠隔訓練による対応とした。
5月15日 緊急事態解除宣言に備えて、通所利用者の訓練再開に向けて対応策を検討し、訓練再開のための準備開始
5月22日 感染予防策を講じた上で、6月1日からの通所利用者の訓練再開を決定
5月25日 緊急事態解除宣言発出
6月1日 通所者の訓練再開、新規利用者の受入れ開始
7月10日 8月以降の自立支援局の対応検討
     段階的に制限を緩和し訓練等の対応を拡大していく方針を決定


宿舎及び訓練場面において、以下のような感染拡大防止対策を継続しています。
・マスク着用、手洗い、アルコール消毒の徹底、毎朝の検温と体調チェック
・外出・外泊の自粛・制限
・面会者の制限
・食堂内の整列ライン、座席配置(座席の間隔確保と一方向での喫食)の変更




・手洗い場(食堂、トイレ)のエアタオルを撤去しペーパータオルを設置
・宿舎の共用部分、及び、訓練室の訓練機器、テーブル、椅子等の消毒徹底
・「3蜜」回避のため、訓練室のこまめな換気とパーテーション設置、訓練時間割調整による訓練室内の人数制限を実施
・遠隔(オンライン)訓練の実施
・訓練授業時のフェースガード着用
・公共交通機関を利用した訓練、職場実習、職場訪問、施設外の訓練、施設見学、の制限等




 また、新型コロナウイルス感染疑い事例の発生を経験しました。

4月15日 利用者が高熱を発して国リハ病院受診。保健所へ報告。検査実施
  17日 PCR検査陰性。有症状継続のため「偽陰性」とも考え経過観察
  22日 PCR再検査陰性。有症状継続
  24日 国リハ病院へ入院(「肺炎」の診断)
5月8日 同病院退院

 濃厚接触の疑いがあった利用者11名を2日間居室待機とし、職員11名は2日間自宅待機にしました。当該利用者が所属する訓練棟及び宿舎棟を消毒の上、閉鎖し、外部者との接触を制限して対応しました。この間、当該者以外の利用者と職員から体調不良等の訴えはなく、落着しました。

 自立支援局では、政府の方針に基づき感染防止対策を講じると共に、万が一の発生に備えて対応案を策定していますが、当局には、基礎疾患を有している方や重度障害のある方が多数在籍しています。国内の感染収束が見えない中、衛生材料の確保が困難な状況も続きました。感染防護服の入手が困難なため、病院、学院、研究所と協力して、フェイスシールドやポリ袋からの簡易ガウンを作製して備えるなど、様々な対応を行ってきています。

 これまでのところ新型コロナウイルス感染者の発生には至らず、緊急事態解除宣言後は、訓練等の対応を段階的に拡大して従来の訓練提供ができる状態に戻りつつあります。これもひとえに、利用者、職員の皆さんが一丸となって感染症対策に取り組んでくださっていることにほかなりません。皆さまのご理解とご協力に感謝しつつ、「新しい生活様式」を実践し、安心、安全な環境で訓練生活を継続できるよう自立支援局の取組みを続けて参ります。