当センターが共同研究により開発した「重度運動機能障害者のためのジェスチャインタフェース(AAGI)」が新潟県柏崎市の日常生活用具の給付の対象品目になりました

令和5年7月
研究所障害工学研究部
研究所福祉機器開発部

この度、新潟県柏崎市の日常生活用具の給付品目(購入費用給付の対象品目)に当センターが共同研究で開発した「重度運動機能障害者のためのジェスチャインタフェース(AAGI)」が加わりました1) 。これは、脳性麻痺や脳卒中後遺症、進行性筋疾患・神経疾患、高位頚髄損傷などにより重度の運動機能障害がある方を対象に、身体のわずかな動きによりスイッチ操作を可能とするカメラを用いた非接触なインタフェースです。
当センターは国立研究開発法人産業技術総合研究所、国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター病院、東海大学などと共同でジェスチャ認識によるコミュニケーション支援のインタフェース(スイッチ操作)を研究しており、これまでに身体部位別に手、頭部、足、肩などに分類し、9種の認識エンジン(ソフトウェア)を開発しました。
パソコンと市販の距離カメラを用意してソフトウェアをダウンロードしてインストールすれば、重度運動機能障害者のジェスチャをスイッチ操作(マウスのクリックやキーボード操作を含む)として利用できます。症状の進行による身体状態の変化にもソフトウェア側で柔軟に対応できます。同時に複数のジェスチャを認識することも可能なので必要な操作が増えた場合でも対応できます。なお、ソフトウェアは「重度運動機能障害者のためのジェスチャインタフェース:AAGI(Augmentative and Alternative Gesture Interface)の研究開発」のホームページで公開しています2)

距離・画像センサ→パソコン認識・出力制御→PC操作・家電品の制御・スイッチ出力
足でペダルを踏むようなジェスチャ

図1 ジェスチャインタフェースの外観

図2 実際の利用風景の一例

【参考文献】
1) 柏崎市.障がいのある方に日常生活用具の購入費用を支給します,
<https://www.city.kashiwazaki.lg.jp/soshikiichiran/fukushihokembu/fukushika/3/2/1/3944.html> (アクセス2023年5月12日).【外部サイトへリンクします】
2)重度運動機能障害者支援のためのジェスチャインタフェースの研究開発,AAGI(Augmentative and Alternative Gesture Interface), <http://gesture-interface.jp/> (アクセス2023年5月12日).【外部サイトへリンクします】