井上 剛伸のホームページ
主な研究テーマ
平成8年9月から1年間、Centre for Studies in Aging, Sunnybrook Health Science Centre, University of Torontoで研修しました。
研究テーマ等につきましてはCenter for Studies in Agingのホームページをご覧ください。
学会活動
日本機械学会会員
バイオメカニズム学会会員
日本リハビリテーション工学協会会員
日本人間工学会会員
RESNA会員
IEEE会員
主な論文
最近の学会発表
研究テーマ頭部操作式電動車いすの開発
重度障害者にとって移動手段としての電動車いすは非常に重要なものです。上肢でジョイスティックを操作する電動車いすが一般的ですが、重度の四肢麻痺を持つ人にとっては使用できない場合もあります。特に重度脳性麻痺者の場合、身体運動の制御が不確実であったりするため操作系の設定が困難です。
しかし、対象者の運動制御性を考慮し、操作しやすい形での操作系を開発することによって自立移動の可能性を広げることができます。頭部操作式電動車いすは、頭部の位置と向きをセンサで検出し、そのデータに基づいて電動車いすの操作を可能としたものです。
電動車いすを利用することで生活は格段に広がります。ところが、重度の障害がある方にとって、その操作は非常にむずかしい場合があります。電動車いすシミュレータは、最新のVR技術により、電動車いす操作の疑似体験をすることができます。いろいろな入力装置と組み合わせることで、電動車いす使用までの評価を、効率的かつ安全にできないか。そんな試みを進めています。
トランスファー介助の生体力学的評価
トランスファー介助は、重度の障害を持たれた方にとって、移動の第一歩となる大切な役割があります。しかし、その介助は介助者への負担が非常に多く、腰痛等の原因にもなっています。移乗介助機器の使用は、介助負担軽減に有効だと言われていますが、なかなか普及していないのが実状です。そこで、それぞれの介助方法における介助負担を、腰部にかかるモーメントを指標として生体学的に評価を行っています。
ブレーキかけ忘れを防止する車いすの開発
高齢障害者にとって車いすは有効な移動機器となっており、使用者の数も少なくありません。しかし、高齢障害者の場合、身体機能や集中力が低下しているため事故を起こす危険性を多分に含んでいます。病院等で訓練中の高齢障害者では、移乗動作中の転倒事故が多く、転倒原因のひとつとしてブレーキのかけ忘れがあげられています。転倒によって骨折などをした場合、その後の生活に大きな影響を与えてしまいます。
こうした事故を未然に防ぐために、以下の3つのブレーキかけ忘れ防止装置を開発しました。
1.ブレーキかけ忘れ警報装置
ブレーキのかけ忘れを音声によって警報します。
2.レバー式強制ブレーキ装置(写真)
ブレーキレバーをユーザーの前方に、踏切の遮断機のように配置し、ブレーキをかけない
と立ち上がれないようになっています。
3.座面式自動ブレーキ装置
座面の下にばねを置き、立ち上がるとその力で座面が持ち上がります。その動きに連動し
て自動的にブレーキがかかります。
油圧を利用した車いすブレーキの開発 ブレーキかけ忘れ防止装置の開発において、少ない操作力で動作する車いすブレーキの必要性が示されました。そこで油圧モータを応用した車いすのブレーキを開発しています。
Special thanks : 二階堂典子,尾形真樹