ごあいさつ

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研究所長 小野 栄一

国立障害者リハビリテーションセンター研究所は、障害のある方々の人生の質(QOL;Quality of Life)向上のため、様々な研究を進めています。当研究所は厚生労働省唯一の「施設等機関と一体化した研究機関」に分類されている国立の研究機関であり、障害分野のリハビリテーション技術の研究機関として設置されました。当センターは、設立当初から研究所の他に、病院(医療)、自立支援局(自立訓練・就労支援など障害福祉サービス)、学院(教育)を有しており、障害者の医療から職業訓練まで同一施設内で一貫して実施する日本のリハビリテーションの中核施設(面積は東京ドームの約4.8倍)として1979年に設置されました。

研究所は病院、自立支援局、学院とも連携して研究を進めており、現在、7つの研究部に、医療系から工学系、社会科学系まで様々な専門分野の研究員を有しています。そのため、治療から医学的なリハビリテーション、社会生活力を高めるリハビリテーション、就労に関わるリハビリテーションまで、幅広い領域の研究および開発や厚生労働省の政策立案に資する研究を実施しています。

2019(令和元)年、国立障害者リハビリテーションセンターは設立40周年を迎えました。研究所は2019年年4月に、自立支援ロボット技術等研究室を新設、2020年1月に外部連携企画官を設置するなど、時代に合わせて、障害のある方やその支援者の立場にたって総合的にリハビリテーションが提供されるように連携を重視しつつ研究および開発を進めています。

研究所の一般公開(研究所オープンハウス)をリハ並木祭(※)と過去10年ほど併催し、また、国際福祉機器展への出展など、一般の方々にも直接的に研究員が情報発信をしています。令和2年度はコロナ禍の影響により、例年と異なった情報発信の工夫を検討中です。

研究所では、流動研究員を毎年採用し、障害分野の研究者の人材育成に努めています。大学、医療系専門学校からの研究生、研修生を受け入れ、研究論文のサポートや人材育成を行っています。

国立障害者リハビリテーションセンターには障害のある方々が人生を楽しみ、笑顔を獲得されるためならば、努力を惜しまない様々な職種の人々がいます。必要は発明の母、と言われますが、それなら父は誰でしょうか? 私は熱意ある人との連携かなと思っております。

研究所が、今後さらに、障害のある方々の自立や支援に向かって、現場に即した夢のある研究と開発(成果の普及と活用・人材育成など)を促進し、皆様のご期待に添えるよう、私も尽力したいと思います。 研究のために多くの方々のご協力を頂いていることを感謝しつつ、引き続き、多くの皆さまのご支援を宜しくお願いいたします。

※リハ並木祭  国立障害者リハビリテーションセンターと国立職業リハビリテーションセンターの合同文化祭で例年10月に開催しています。利用者・職員・学院生が協力し、日々の訓練やクラブ活動の成果等を一般の方々へ発表し、地域の方々との交流をも深めること等を目的としています。


最終更新日:2020年8月26日