第377号(令和8年春号)トピックス
国際セミナー2025「障害者の健康公平性への取り組み」を開催しました
企画・情報部企画課国際協力室
2025年11月22日(土)、都内会場にて国際セミナー2025「障害者の健康公平性への取り組み」を開催しました。国際セミナーは当センターがWHO(世界保健機関)協力センターとして、WHOによる国際的な取り組みに関する情報や、主に西太平洋地域の国々におけるリハビリテーションに関する状況について、多くの方と共有すること等を目的として開催しています。
今回はアジア・太平洋地域から6名の専門家を招待してご講演をいただくとともに、パネルディスカッションを行いました。
WHOによると、現在、世界人口の16%にあたる約13 億人に何らかの障害があると推定されています。WHOが2022年に発表した「障害者の健康公平性に関するグローバルレポート」では、依然として多くの障害者が、健康状態が悪く、日常生活をおくるうえでの制限が多い傾向が続いており、障害者が医療制度を含めた生活のあらゆる面で不公平な状況に直面していること等が健康状態の悪さに繋がっていること、それらの改善のための対応が求められていることが解説されています。
本セミナーのテーマである「障害者の健康公平性」について考えるにあたり、WHO西太平洋地域事務局のジョディ・アン・ミルズ氏に基調講演を行っていただきました。講演では、障害のある人とない人の顕著な健康格差はWHOが掲げる「すべての人に健康を」という目標達成に向けた進歩を阻むものであり、障害者の早期死亡や疾病リスクを高める構造的・制度的障壁に対処するための緊急の対策が求められることや、この状況に対応するため、WHOは世界中の保健省やパートナーと協力し、状況評価や行動計画の策定などを通じて保健システムの包摂性向上に努め、実践を試みていることが紹介されました。

WHO西太平洋地域事務局 ジョディ・アン・ミルズ氏
続いて、インドからサントシュ・クマール・クラレティ氏、フィリピンからラモン・サルード氏がそれぞれの国における障害者の健康公平性に向けた取り組み状況や課題について報告し、国内からは国立国際医療センターの松村幸子氏が、また、当センターからは総長の芳賀信彦及び研究所研究員の齋藤崇志が講演しました。
これらの講演やパネルディスカッションを通して、日本を含め世界には障害者の健康格差が依然として大きく存在すること、また、それらの状況の改善を図るために多くの取り組みが実践されていることが報告されました。
このようなセミナー等を通して海外のリハビリテーションに関する情報収集や発信を継続し、リハビリテーションの国際的な発展に寄与できるよう国際協力活動に取り組んで参ります。
本セミナーの報告書(発表スライド)は当センターHPからご覧いただけます。
https://www.rehab.go.jp/whoclbc/seminar/link/



目次へ