生活訓練課は、身体に障害のある方に現存能力を最大
限に活用し、日常生活を営む上での必要な諸技能や知識
を習得させ、障害によるハンディキャップを最小限に軽
減することにより、自立生活の能力を高めるとともに、
有意義な社会生活や職業生活を送ることができるように
することを目的として生活訓練を実施しています。
この生活訓練を実施するに当り、従前は、生活訓練科
目(歩行訓練、日常生活訓練、コミュニケーション訓練
、ロービジョン訓練、スポーツ訓練等)の技術評価を基
に訓練計画を策定していました。しかし、これは利用者
に修得した技能が実生活で活用されていない、困ってい
ることが漠然としている、一律な訓練に陥りがちといっ
た問題点が生じました。
これを利用者主体の訓練に改善すべく、@アセスメン
ト(初期評価)、A訓練計画策定、Bインフォームドコ
ンセント、C訓練の実施、Dサービス内容の点検(中期
評価)、E訓練修了という流れの訓練体系を作り、視覚
障害者を中心に生活訓練を実施しています。
評価の主眼は、障害に起因する社会生活上の不自由を
個人のライフプランに沿っていること、訓練の進捗状況
、個人の能力に見合った訓練方法の適否を判断すること
に置いています。
評価の内容は、視点を生活活動におき、@身辺自立に
関すること、A移動に関すること、B意志交換に関する
こと、C情報収集等に関することを評価の主たる内容と
して、付随する生活状況の把握、ニーズの把握、生活活
動の状態把握、日常生活活動のチェックを主としていま
す。
評価の方法は、初期評価、中期評価、終期評価を実施
しています。
訓練計画は、アセスメントに基づき、本人のニーズを
主に組み立て、訓練修了後の生活形態に必要と考えられ
る活動動作を基に作成しています。訓練計画書には、訓
練目標、訓練項目、訓練の着眼点、訓練手段、訓練期間
が明示され、従前の視覚障害者=点字といった考えはな
く、従前の訓練科目は単に訓練手段となり、訓練目標(
自立計画)に向かってのものとなっています。
インフォームドコンセントは、利用者と訓練計画書の
内容、訓練修了後の生活形態、自立計画、利用者のニー
ズ等を内容とし、確認、説明、質疑を行い、利用者から
同意を得ることにしています。利用者から同意を得られ
た時点で、家族、福祉事務所へも同計画書を送付してい
ます。
そして、訓練の実施へと進んでいます。
以上のような流れの生活訓練を実施するため、昨年か
ら生活訓練課内にケースワーカを配置し、50代1名、
40代2名(うち1名女子)、30代2名、20代3名
(うち女子1名)の計8名の生活訓練専門職がその任に
あたっています。