2025.7.3
大阪・関西万博へのブース出展 盛況に終える
企画・情報部企画課

万博会場入口(東ゲート)の万国旗

夕陽の大屋根リング(西ゲート付近)
令和7年6月21日(土)から始まった国リハの大阪・関西万博へのブース出展が、29日(日)、盛況のうちに終了しました。
28日(土)、29日(日)の大阪は、快晴、最高気温33~34℃。炎天下にもかかわらず、2日間でおよそ30万人の来場者を記録し、各パビリオンはどこも行列、どこを歩いても人だらけ。そんな中、国リハのブースがある「Health Design 輝き、生きる ~Live Brighter~」の会場には2日間でおよそ1万人6千人の来場があり、イベント初日からの延べ来場者数は8万人に達しました。
国リハブース出展の最終日は、10:00からの「こどもの義手」コーナーのデモンストレーションから始まりました。来場者には3つの体験にチャレンジしていただきました。1つ目は、筋電電動義手と同じ原理で動作するスイッチを使ったプラレール®(タカラトミー社)の運転操作。腕にセンサを巻き付け、手首を前後に曲げ反らしすることにより、前進・停止・後退の操作が可能。はじめはとまどいながらもお子さんから大人まで、みなさん上手に操作をされていました。2つ目は、筋電電動義手の模擬体験。手首の曲げ反らし動作により、義手の手が開いたり閉じたりします。これを使って小さな積み木を3段まで積み上げるゲームでタイムを競いました。最後3つ目は、能動義手の模擬体験。今度は右腕の曲げ伸ばし(又は左肩をすぼめる)動作により、義手の手が開いたり閉じたりします。2つ目のチャレンジと同様、積み木を3段積み上げるタイムトライアルです。2つ目、3つ目のチャレンジでは、「普段と違うので感覚をつかむのが難しい」という声が多く聞かれました。「とても貴重な経験をさせていただきました。」「障害のある方のもどかしさを少し実感できた気がします。」といった感想も伺うことができました。こどもの義手の普及・啓発のために出展したこのコーナー。多くの方々の心に訴えることができたのではないかと思います。

国リハブースのようす

遠隔就労支援ロボットに寄せられた感想(シール)
続いて、12:00には「遠隔就労支援ロボット」のデモンストレーションが行われました。このロボット操作は、この研究に関わった障害のある方(吉田さん)と来場者による共同作業です。まずは吉田さんが巧みな操作で荷物の近くまでロボットを移動させます。次に、来場者がタッチパネルを使ってロボットのアーム操作を行います。PC画面に映し出された映像を見ながら、手さげ荷物をアームにひっかけて持ち上げられれば成功。その後、吉田さんが荷物を待っている人に向けてロボットを移動させて、荷物の運搬は完了。小さなお子さんも真剣なまなざしで取り組んでくれ、見事に荷物を運ぶことに成功していました。このロボットは、今まで就労意欲がありながらも障害により働くことができなかった障害のある方に、在宅で遠隔操作により就労していただこうと開発されたものです。具体的には介護現場で介護従事者の手助けをすることが想定されています。重たい荷物を運搬することのみならず、ロボットの正面に操作者がモニタで映し出されることにより、ロボット操作者と被介護者との遠隔コミュニケーションも可能。自身も介護を受けた経験があるからこそ、介護施設で生活している被介護者に、障害のある方ならではの寄り添った支援ができ、ひいてはこれが介護従事者の業務軽減にもつながることが期待されます。来場者からは「ふらっと入ったのにめちゃめちゃ楽しめました。子ども達がこのコーナーを離れようとしないんです。」「こういう取組こそ社会に実現してほしい。」というありがたいお声をたくさん伺うことができました。
ほかにも、「眼球運動を活用したスイッチ入力システム」「ジェスチャー認識を活用したインターフェース」の各コーナーでは、まぶたの動きや体の一部の動きを使ってスイッチ入力などを行うことができるシステムが紹介され、来場者には体験ゲームを楽しんでいただきました。これらのインターフェースを用いることで、体の一部(それぞれの障害のある方の個性に応じた動かしやすい部分)を動かすことにより、パソコン操作など様々な機器操作が可能になっていきます。「障害のある方それぞれの個性を生かす取組ということに感銘を受けました。」などの感想を多く伺うことができました。
9日間にわたるブース出展。我々国リハ職員にとっても、大変よい勉強の機会をいただけたと思います。来場者の皆さまやこのブース出展に関わってくださった多くの方々に感謝を申し上げます。