国リハWebニュース・ロゴ
センター・ロゴ

2025.11.25

芳賀信彦総長飯田賞受賞報告

企画・情報部企画課

 この度、国立障害者リハビリテーションセンターの芳賀信彦総長が、一般社団法人日本義肢装具学会の学会賞である飯田賞本賞を受賞いたしましたので報告します。

 「飯田賞」は、国立障害者リハビリテーションセンター初代研究所長 故飯田卯之吉先生が永年に亘り義肢装具の発展のために尽くされた業績を偲んで1981年に日本義肢装具学会に設けられ、義肢・装具・リハビリテーション工学の分野で優れた業績をあげた者に対し授けられる賞です。毎年本賞と奨励賞が学会選考委員会の審査を経て選出されます。

 今回の受賞理由は「永年のリハビリテーション医学における義肢装具の教育・研究・開発および普及、学会運営への貢献」で、前任の東京大学医学附属病院リハビリテーション科から現職に至る永年の義肢装具に関わる医師としての活動が評価されたものです。

 芳賀総長の活動は、臨床のみならず、研究、教育、学会を主とした社会活動と多岐にわたります。臨床では希少難病に関わることが多く、研究活動もこれに関連したものが多くなっています。特に東京大学リハビリテーション科在職時には、2013年に「四肢形成不全外来」を開設しました。現在、東大の「四肢形成不全外来」は小児の義肢装具診療において我が国の中心的な役割を果たしています。芳賀総長は当センターでも「四肢形成不全外来」を開設し、診療を継続しています。また、2017年に研究代表を務めた「小児筋電義手適用のプロトコールに関する調査研究」では我が国の先天性上肢形成不全児に関する実態調査を行い、小児筋電義手の普及が遅れていることを示しました。この結果が、我が国の小児筋電義手普及の礎となり、研修会や助成金制度等の普及事業の実施につながっています。

 2018~21年は日本義肢装具学会の理事長を務め、2020年秋にはコロナ禍の中、第36回の学術大会を主催しました。また義肢装具関係の用語に関わる活動として、2012~13年に用語委員会担当理事、2012~14年にJIS T0101改正原案作成委員会委員長、2015~19年にISO/TC168国内対策委員会委員を務め、当該分野の発展に貢献されています。

 令和7年11月8日第41回日本義肢装具学会学術大会(新潟:朱鷺メッセ)にて、飯田賞の表彰式が行われ、花山日本義肢装具学会理事長より表彰状と記念品が授与されました。

 芳賀総長の今後の更なる御活躍を祈念いたします。


受賞の様子
受賞講演の様子