BL研究会
2024年12月10日
「語末子音の属する音節位置: 語末子音はコーダではない」
演者:那須川訓也教授 東北大学文学部英文学科
要旨:語末子音(...C])は、音節末を占めるコーダ位置に生じている子音であると考えられてきた。しかし、音韻的振る舞いを観察すると、語中内コーダ位置(...C1.C2...のC1)に生じる子音とは異なる振る舞いを見せる。一方、音配列パターンから、語末子音はオンセットと同じ振る舞いを見せる。このことから、語末子音は、コーダではなくオンセットでありvその後ろに通常音声的に表出しない音節核が存在すると考えられる。以上について、具体的な例を提示しながら論じる。
2024年11月5日
「一側性の聴覚失認症例の経過」
演者:北條具仁 国立障害者リハビリテーションセンター病院リハビリテーション部言語聴覚療法 言語聴覚士
2024年9月3日
「母音の延伸率とAQ等指数・指標の相関分析」
演者:ハン・ミンジ 国立障害者リハビリテーションセンター 高次脳機能障害研究室
要旨:話者57名の、母音の延伸率と23種類の指数・指標の相関分析、及び、43種類の品詞のうち相関分析に足るデータ量を持つ42種類に対する、各品詞別の母音の延伸率との指数・指標の相関分析を行った結果について報告をする。結果として、強い相関関係を示すペアは無かったが、中間~弱い水準の相関が一部見られた。考察前の分析結果報告になる。
2024年7月16日
「感情失禁を呈した失語症例」
演者:北條具仁 国立障害者リハビリテーションセンター病院リハビリテーション部言語聴覚療法 言語聴覚士
2024年6月11日
「音声知覚のシミュレーションによる異聴の予測と評価」
演者:岸山 健 東京大学大学院 学術専門職員
要旨:本研究の目的は、個々の難聴者の特性を反映して、識別困難な音素や単語のリストを作成し、難聴を抱える個人やその関係者の支援に寄与することである。この目的を達成するために、
予備的な研究として、音素の知覚傾向に基づいて識別が困難になる単語を推定する手順を提案した。提案手法では、与えられた単語に対して意味の近い語のリストを作成し、異聴の傾向と単語の頻度から識別が困難になる単語を抽出した。結果として、「渋谷-日比谷」や「握手-拍手」などの頻繁に報告される異聴が再現可能となった。さらに、オージオグラムから音素の知覚傾向を予測するためのパイロット実験も行った。この実験の結果も報告する。
2024年5月15日
「仮名一文字のヒントが単語の聴覚的理解を促進した流暢性失語の1例」
演者:大畑秀央 国立障害者リハビリテーションセンター病院 リハビリテーション部言語聴覚療法 言語聴覚士長
要旨:昨年の11月に「単語の聴覚的理解と読解に顕著な乖離を認めた流暢性失語の1例」というテーマで、語形聾が疑われる症例について報告した。これについて、今年の6月の日本言語聴覚学会で「仮名一文字のヒントが単語の聴覚的理解を促進した流暢性失語の1例」という演題で発表することになり、それに向けての報告。
2024年3月12日
「一側性の聴覚性失認の経過」
演者:北條具仁 国立障害者リハビリテーションセンター病院 リハビリテーション部 言語聴覚療法 言語聴覚士
2024年1月16日
「重度Broca失語の訓練経過」
演者:北條具仁 国立障害者リハビリテーションセンター病院 リハビリテーション部 言語聴覚療法 言語聴覚士
2023年12月5日
「t-PA及び脳血管カテーテル治療の適用率とその予後に関するサーヴェイ」
演者:小川あい 国立障害者リハビリテーションセンター 高次脳機能障害研究室
2023年11月7日
「単語の聴覚的理解と読解に顕著な乖離を認めた流暢性失語の1例」
演者:大畑秀央 国立障害者リハビリテーションセンター病院 リハビリテーション部言語聴覚療法 言語聴覚士長
2023年10月3日
「文の理解しやすさと作業記憶」
演者:磯野真之介 東大総合文化研究科 博士課程
要旨:構造が複雑な文は、一度見聞きしただけでは理解できないことがある。どのような構造がヒトにとって理解しにくく、理解しやすくするためにはどうしたらいいのだろうか?その背景にあるヒトの言語構造理解の仕組みはどのようなものだろうか?本発表では、特に構造を構築する際の作業記憶への負荷に焦点を当て、これらの問いに対する先行研究とその問題点を概観した上で、発表者が最近提案している理論と読み時間付きコーパスによる検証結果を紹介する。
2023年5月16日
「日本語の音韻性錯語の新たな分類」
演者:宮崎哲雄 国立障害者リハビリテーションセンター学院ST科
要旨:本発表では日本語の音韻性錯語について、発生過程のモデルとそれによってなされる分類の提案を行う。音韻性錯語の分類について、従来では誤りの分類が行われていた(物井他 1979など)が、特殊拍の誤りなど分類が仕切れていないものもあった。また、この分類は誤りの分類であって音韻性錯語そのもの分類ではない。発表者は錯語を目標語から3段階の過程を経て表出形に至るというモデルを提案する。これらの過程はbinary な対立を含んでいるため、それにより錯語を2^3=8 の8グループへ分類することができる。この分類は,従来分類できなかった錯語例(特殊拍に誤りが現れるものなど)を1つの分類体系で扱える点、誤りというミクロな視点ではなく単語の中に起きた誤りというマクロな視点で分類をした点、という新しい点があると発表者は考える。
研究室ではこんな日々を送っています
- 2018年1月29日
- シンポジウム「発達障害者の言語:階層性と意図共有の接点」
- 2016年12月1日
- 講演「固有名で振り返る現代言語哲学史」
首都大学東京 人文科学研究科人間科学専攻 言語科学教室 藤川直也先生 - 2016年9月8日
- 講演「視線を通して探る言語産出のタイムコース」
早稲田大学理工学術院 酒井弘先生 - 2016年9月5日
- 講演「眼が映し出す乳幼児の単語認知」
首都大学東京大学院人文科学研究科言語科学教室 首都大学東京言語の脳遺伝学研究センター 保前文高先生 - 2016年8月30日
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講演「瞳孔径測定からみた言語理解とその発達」
早稲田大学人間科学学術院 神長伸幸先生 - 2016年5月27日
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講演「日本語かき混ぜ文の処理と節境界処理の関係」
津田塾大学学芸学部英文学科 小野創先生 - 2016年2月18日
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講演「コーパスに基づく言語研究」
国立国語研究所 浅原正幸先生 - 2016年1月21日
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講演「頭蓋内脳波を用いたケーススタディー」
昭和大学発達障害医療研究所 丹治和世先生 - 2015年12月21日
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講演「格助詞の選択に関わる要因の考察」
日本学術振興会特別研究員PD 津田塾大学英文学科 南部智史先生 - 2015年12月17日
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講演「Visual hallucinations, Pareidolia and Brain States」
東北大学医学系研究科高次機能障害学分野 西尾慶之先生 - 2015年12月9日
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講演「fMRIデコーディングによる行為認識の神経表象の解明」
北海道大学大学院 文学研究科 心理システム科学講座 小川健二先生 - 2015年11月27日
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講演「経頭蓋磁気刺激法の基礎と言語研究への応用」
福島県立医科大学医学部 神経内科
ふくしま国際医療科学センター 先端臨床研究センター 村上丈伸先生 - 2015年10月5日
-
講演「不確実性の下での推論・因果性・強化学習」
東京電機大学理工学部情報システムデザイン学系 高橋達二先生 - 2015年9月18日
-
講演「言語の再帰的処理モデル:"ローカル"から"グローバル"へ」
国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所
司法精神医学研究部 曽雌崇弘先生 - 2015年3月31日
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講演「数列および代数計算における言語・数処理ネットワークの役割」
東京大学大学院 総合文化研究科 中井智也先生 - 2015年3月31日
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講演「簡単な数式の脳内表象」
大阪大学免疫学フロンティア研究センター
脳情報通信融合研究センター 丸山雅紀先生 - 2015年3月26日
-
講演「失語症の長期経過」
江戸川病院 リハビリテーション科 中川良尚先生 - 2015年3月17日
-
講演「さえずりの神経科学」
東京大学大学院 総合文化研究科 橘亮輔先生 - 2015年3月16日
-
講演「てんかん患者の高次脳機能障害とコミュニケーション障害」
帝京平成大学 言語聴覚学科 廣實真弓先生 - 2015年3月2日
-
講演「言語処理時の脳活動―事象関連電位を指標とした文理解研究」
立命館大学 スポーツ健康科学部 大石衡聴先生 - 2014年12月5日
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「オープンハウス2014」で研究の紹介をしました
展示用ポスターDL
【文処理の脳メカニズム(pdf)】
【音声処理の脳メカニズム(pdf)】
- 2014年12月3日
-
国立台湾大学から研究者が見学に来ました