国立身体障害者リハビリテーションセンター研究所では、「障害者の自己決定を支援する情報コミュニケーション技術の開発」をテーマに、障害がある人々にもわかりやすい災害時の安全のためのマニュアルと、避難訓練を支援するシステム研究開発に取り組んでいます。2005年10月には、講演会「世界に広がるDAISY−アクセシブルなマルチメディアの開発−」を開催し、研究開発の成果としてDAISYの国際的な動向を紹介しました。相次ぐ自然災害により防災システムの早急な整備が世界中で望まれる中、先日チュニスで開催された国連世界情報社会サミットでは、当研究所が準備を担当した「障害者の防災と情報コミュニケーション技術のあり方を考えるセッション」が持たれ、早期災害警報システムの整備に障害のある人々の要求を的確に反映させるために、国連の専門機関と共同研究を進める合意が形成されました。 本フォーラムでは、自ら自閉症者としての世界を生き生きと紹介して自閉症スペクトラムの理解向上に貢献しているスティーブン・ショア氏と、自閉症者の家族および支援にとりくむ専門家を米国からお呼びして、自閉症者が自ら災害に備えるために必須の教育と訓練をテーマに、米国の自閉症コミュニティの経験を学び、意見を交換します。次いで、一人も取り残されることのない国際的な防災ネットワークの整備を実現するために、最も重要な鍵である情報コミュニケーション技術が果たすべき役割について、世界情報社会サミットの成果を確認し、今後の国際的なネットワーキングと研究開発の進め方について討議します。