ダンスの活動が知的障害児の身体動作に及ぼす影響

学院リハビリテーション体育学科 田中信之 ・梅崎多美
埼玉県立越谷養護学校 伊藤えつこ
山梨医科大学 高田谷久美子

 学院の各学科は、主に身体障害者のリハビリテーションに従事する者の養成訓練に関することを担当する部門であり、ここで養成される専門技術者は、一般の学校運営で養成されることが難しいものの、社会で必要とされるであろう者である。さらに、その養成訓練では、現場に直結した具体的な技術を学生に伝えていく必要があるため、教官の多くは、その技術についての研究を主に自費により積み重ねてきている。また、養成訓練を受ける学生ばかりでなく、それを必要とする全国の同じ分野の者にも支援を行ってきている。

 今年度、本学科は、本センターの受け入れた埼玉県教育委員会からの長期研修者(養護学校教諭)に対して、専門的な技術の支援を行ってきた。この研修では、本学科が関連する分野で経験的に効果があるとされている内容について確認を行うための研究を行っている。

 その研究は、知的障害のある者に対し、自由な身体表現を行うダンス(創作ダンス)を短期間にレッスン(約一か月に3回)した際に、身体動作にどのような変化が現れるかを動作分析により求めるものである。動作分析は、レッスン内容とは直接関係しない特定の2つの動作(横方向及び縦方向を主とする動き)を対象者に実施してもらい、それをビデオテープに撮影し3次限的に行った。その結果、両動作ともに、下肢を利用した動作の改善が明らかになった。




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