入所者宿舎棟等における防犯・防災対策の現状と課題

指導部指導課 後藤英信、小松原正道、稲葉幹人

I 防災対策における課題

 1 出火の防止:放火対策、たばこ対策、可燃物対策
 2 初期消火対策:担当職員による消火訓練、マニュアルの整備
 3 防煙・延焼防止:居室ドアの自動閉鎖機構設置、窓閉鎖を徹底、
   加圧防煙システムの採用(煙の流れを吸排気によりコントロール)
 4 視覚障害者に対する適切な避難方向指示(煙に向かって避難することを防ぐ)
 5 発火場所等に関する迅速な情報提供方法の確立(視覚・聴覚障害者)
 6 水平避難の有効性検証と訓練方法の見直し(肢体不自由者)
 7 警報機の誤報軽減対策(狼少年効果の防止)、避難時の人員、安全確認の方法

II 防犯対策における課題

[1] 防犯に配慮した企画・計画・設計の基本原則(防犯に配慮した共同住宅の設計指針:国土交通省)に照らして、日頃から設備、運営の見直し、改善を図ることが必要。
1. 監視性の確保(周囲からの見通しを確保する)
2. 領域性の強化(居住者の帰属意識の向上、コミュニティ形成の促進)
3. 接近の制御(犯罪企図者の動きを限定し、接近を妨げる)
4. 被害対象の強化・回避(部材や設備等を破壊されにくいものとする)
[2] 具体的な課題
1. 1階入口の受付体制の見直・2階入口の自動ドア設置等(監視性の確保・接近の制御)
2. 宿舎棟への警備員の配置(接近の制御)
3. 各寮・各室の入室チェック機構(ICカード等)整備(領域性の確保・接近の制御)
4. 居室内個人領域の確保(カーテンからパーテーション等へ変更)
5. 不審者対応マニュアルの整備・訓練の実施(職員等の適切な対応により被害を防止する)




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