医療相談開発部 | 森田勝義、菅原美杉、小山聡子、森曜子、大津あかね、上村裕子、大島千帆、佐久間肇 |
医療福祉相談室では、入院患者はもとより、外来通院者、またそれ以外の不特定多数 の方に対して医療福祉相談を行っている。今回の報告では、当室における業務内容を業務 日報(7月15日改訂)7月15日から10月末までのデータを基に 1.直接援助業務の実態、 各科毎の対応件数、 2.対応件数が増える要因 について検討する。
1)当室における業務実態:1.診療科 2.診療区分 3.援助方法などに区分をおこない 単純集計及びクロス集計を実施する。各科毎の対応件数:各科毎集計を行う。 2)対応件数上位者の分類:対応件数上位20名のプロフィールを分類する。 (上記、使用ソフトはSPSSとエクセル)
1)@当室における業務実態については、各診療科では、表1のとおり。また、業務日報の 対応総件数は5233件で、1日平均69.8件であった。診療科毎の数は、表2のとおりである。 診療区分・援助方法については、表3、表4のとおりである。 2)各科毎の対応件数については、図1のとおり示される。 3)MSWの対応件数上位20名の分類は、 1.性別(図2) 2.年齢(図3) 3.診療科 (図4) 4.障害状況(図5) 5.経済状況(図6) の結果であった。
リハ科と神経内科の傾向として、オーダー件数は神経内科が多いのに対して、
各科毎の対応件数を集計してみると、明らかにリハ科が多いことが言える(図1)。
また、各科毎に相談内容・援助方法・相談・打ち合わせ者等を分析した結果、次の傾向が
見られた。リハ科であれば、「退院先との調整」と「院内職員との調整」、神経内科では、
「在宅支援」と「介護保険制度の活用」と「情報提供」が多い。
さらに、必ずしも利用可能な社会資源が少ないケースにおいて対応件数が多くなる
というわけではなく、社会資源が多く存在することによってむしろ適用における制度間の
優先順位等に利用者が困惑し、対応件数が増える場合もあると考えられる。また、高位の
頸髄損傷者の場合、受け入れ先の病院又は施設が少なく転院先の確保のため対応件数が
増えるということも言える。
今回、当室の日常業務を振り返ることにより、今まで漠然と感じていた印象のいくつか を数字の裏づけを持って確認することが出来た。分析方法そのものの検討とともに、業務内容 の分析を今後も継続し、より時宜を得た対応に結びつけ、妥当な人員数についても提言したい。 さらに、個別の事例検討を組み合わせることにより、MSWのスキルアップを目指す予定である。