国リハニュース

第373号(令和5年秋号)トピックス

デフトレインズ乗車の旅 東京2025デフリンピックに向かって

自立支援局 理療教育・就労支援部 就労移行支援課長 会田 孝行

 2025年に東京で第25回デフリンピックが開催されます。これはデフスポーツの世界最高峰の大会であり、1924年にパリで第一回目が開催されてから、100周年となる歴史に残る大会です。

 国際オリンピック委員会が定めているものは、オリンピック、パラリンピック、スペシャルオリンピックス、デフリンピックの四つです。2014年に日本財団パラリンピック研究会が行った調査結果では、パラリンピックが98,2%、スペシャルオリンピックスは19,8%と比較すると、デフリンピックは11,2%と認知度が低く、初めて日本で開催される東京2025デフリンピックを機に認知度が高まり、デフスポーツの発展につながることを願うばかりです。ちなみに、デフリンピックは冬季のデフリンピックもあり、1949年に開始してから、今まで20回開催されています。

 東京2025デフリンピックの大会ビジョンは、「デフスポーツの魅力や価値を伝え、人々や社会をつなぐ」「世界に、そして未来につながる大会へ」「”誰もが個性を活かし力を発揮できる“共生社会の実現」であり、2025年11月15日から11月26日の12日間に、陸上、バドミントン、バレーボール、バスケットボール、サッカー、柔道、空手、水泳など21競技が東京の各所で実施されます(サッカーのみ福島県で実施)。基本的に競技ルールは聴者のスポーツと同じであることが多いのですが、陸上、水泳のスターターの音はフラッシュランプを使って選手に知らせたり、サッカーなどでは審判が笛を吹くとともに、旗または片手をあげるなど、視覚的保障がされていることが特徴の一つです。

 私はバスケットボール大好き人間です。バスケットボールのために、日々の仕事や生活を頑張っているといっても過言ではありません。デフバスケットボールに出会って約30年、多くの仲間と出会い、時間を共有し、私という人間を育ててもらいました。そこからいろいろな縁がつながり、東京2025デフリンピックに向けてデフバスケットボール女子日本代表のチームリーダーを拝命いたしました。2009年台湾、2013年ブルガリアでのデフリンピックもスタッフとして帯同いたしましたが、地元の日本で開催されるデフリンピックにかかわることができ、こんなにも嬉しいことはありませんし、大役に身が引き締まる思いです。チームリーダーの業務はスタッフ、選手、それらを取り巻く方々に関するあらゆることのとりまとめ役です。スタッフ、選手がコートの上で最高のパフォーマンスを発揮できるように、動く所存です。

 デフリンピックは、国の威信をかけた大会なので結果も重要です。目標は金メダル、世界一です。今までのデフリンピックではメダルを獲得したことすらありません。大言壮語を吐いていると思われるかもしれませんが、それだけの選手たちが集まりましたし、目標は高くです。チームの愛称はデフトレインズ、現在、デフトレインズは金メダルを目指して日本各地を旅(強化合宿)しています。スタッフや選手は北海道から九州と各地に散らばっているのですが、定期的に実施している旅(強化合宿)は全額自己負担です。そのための負担が大きいのですが、皆が金メダルに向かってデフトレインズを走らせています。興味を持った方は、デフトレインズへの熱い応援をぜひともよろしくお願いいたします。

(外部サイト)
特定非営利活動法人日本デフバスケットボール協会
URL:https://jdba.sakura.ne.jp/

全日本ろうあ連盟スポーツ委員会
URL: https://www.jfd.or.jp/sc/

東京2025デフリンピック大会情報サイト
URL: https://deaflympics2025-games.jp/

デフバスケットボール練習風景1
デフバスケットボールチームの集合写真
デフバスケットボール練習風景2
デフバスケットボール練習風景3
デフバスケットボール練習風景4