食中毒のお話
管理部 総務課栄養管理室

 8月になり食中毒が多く発生する季節になりました。 近年では1年中食中毒が発生していますが、夏本番の8 月が発生のピークです。
 食中毒の発生件数は、年々増加する傾向にあります。 特に1996年の腸管出血性大腸菌O157の大量発生 以降、発生件数が急激に増加しています。 昨年(2000年)の食中毒発生件数は約2,20 0件、患者数は約42,700名で、亡くなられた方も います。発生原因菌は件数では、サルモネラ、カンピロ バクター、腸炎ビブリオの順に多く発生しています。患 者数ではブドウ球菌による患者が昨年夏に起こった牛乳 の事故により1番多く発生しています。また、平成9年 に新たに食中毒原因物質に加えられた小型球形ウイルス (SRSV)の発生が患者数では第2位となってい ます。
 小型球形ウイルスは11月から3月にかけて多く発生 し、細菌でなくウイルスです。原因食品はカキ、シジミ 、アサリ、ムール貝、等の貝類です。冬に多く発生する タイプの食中毒です。
 サルモネラ、腸炎ビブリオ、ブドウ球菌、ウエルシュ 菌等ほとんどの細菌性食中毒は温度の高い夏が多く発生 します。
 これらの細菌性食中毒を防ぐためには「食中毒予防の 三原則」という方法があります。

食中毒を防ぐための「食中毒予防三原則」
1.食中毒の原因菌を「つけない」
  菌が食品についていなければ食中毒は発生しませ ん。
  ・食材や手指、調理器具をよく洗う。
  ・フタ付きの容器の使用や、ラップで包む。
2.食中毒の原因菌を「増やさない」
(1)菌がついてしまっても、繁殖しなければ食中毒 にはなりません。原因菌は10℃以下の温度では繁 殖しにくくなります。
  ・調理したものは、なるべく早く食べる。
  ・食品は冷蔵庫や冷凍庫に保存する。
(2)冷蔵庫や冷凍庫で食中毒の原因菌が死滅する 訳ではありません。冷蔵庫の過信は禁物です。
3.食中毒の原因菌を「やっつける」
(1)ほとんどの菌は熱に弱く加熱することで死滅 します。
  ・75℃、1分間以上加熱する。
  ・食品の中まで火が通るようにする。
  ・調理器具は熱湯消毒や漂白剤に浸ける。
(2)加熱が不十分なために食中毒が起こることもあ ります。食品の中心まで完全に火を通しましょう。
(3)食中毒予防のために手を洗いましょう。
いろいろなものを触る手指には様々な細菌が付い ています。次のような時は手を洗いましょう。
  ・調理を始める前。
  ・生の肉や魚、卵などを触ったとき。
  ・調理の途中でトイレに行った後、鼻をかんだ  後や、動物に触った後。
  ・食事の前。
  ・残った食事を扱う前。
  ・外出から帰った時。

食中毒は予防法をきちんと守れば防げます。
食中毒などにかからず楽しい夏を過ごしましょう。